2011 Fiscal Year Research-status Report
メディアの所有規制と市場縮小の多様性に与える影響分析
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23530287
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
浅井 澄子 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (00329476)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 多様性 / 音楽 / 地上放送 / BSデジタル放送 |
Research Abstract |
今年度は、音楽コンテンツと放送に関する実証分析を行った。音楽に関しては、媒体間の関係を分析するため、シングルとアルバムの購入、ならびにレンタルの需要関数を連立方程式体系で推定した。さらに、この需要関数にネットワーク配信の頻度を示す変数を加えることで、シングルとアルバムの購入、レンタル、ならびに配信との関係を明らかにした。この結果を記した論文は、学術雑誌である「情報通信学会誌」に掲載された。 放送に関しては、資本関係を有する地上放送局とBSデジタル放送局の番組編成と多様性についての実証分析を行った。その結果、資本関係がある放送局では、視聴者の奪い合いを回避するため、番組編成に大きな差異があることが示された。日本や諸外国では、放送の多様性を確保するため、メディアの所有規制が適用されている。今回は多角的論点については分析の対象外であるが、ジャンル別の多様性から判断する限り、規制緩和が可能であることが示唆された。 また、地上放送局の番組編成の23年間の変化をデータを使って把握した。その結果、番組編成の変化は、視聴者の嗜好の変化に放送局が対応した結果というよりも、番組制作費用の制約や広告主の意向等の供給側の要因によって、もたらされたことが明らかになった。これらの結果を記した論文は、「公益事業研究」に収録された。さらに、BSデジタル放送が導入されたことによる地上放送局の番組編成への影響についての実証分析結果は、大学の紀要に論文として掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の当初計画は、既存研究のサーベイ、データ収集と分析、さらには、その結果を論文に取りまとめることであったが、順調に進み、複数の論文が査読を経て掲載に至った。データ収集や分析が、予想よりも短時間で完了したため、当初計画よりも進行したと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
放送については、番組編成の改訂が市場成果に与える影響を分析するため、視聴率データを使った実証分析を行う。その分析結果は、海外の学術雑誌に投稿する予定である。 また、これまで音楽と放送を対象に分析していたが、出版市場にも対象を広げ、出版の多様性分析にも着手する。出版物の需要関数の推定による需要の決定要因の把握とジャンル別タイトル数の時系列変化の把握から始める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度では、購入したパソコンが計画した金額を下回ったこと、人件費の支出がなかったこと等の理由から、次年度使用額約20万円が発生した。今年度においては、当初計画の今年度予算額と次年度使用額をあわせ、英語の論文を執筆するためのネイティブチェック料、既存研究のサーベイを行うための書籍や雑誌の購入費、資料収集代としての旅費とコピー代等に充当する計画である。
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Research Products
(7 results)