2011 Fiscal Year Research-status Report
アジア諸国における日系企業・欧米系企業の競争力の計量分析
Project/Area Number |
23530302
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
稲葉 和夫 立命館大学, 経済学部, 教授 (70117000)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 経済統計学 / 国際競争力 / 海外直接投資 / 計量分析 / パネルデータ |
Research Abstract |
初年度は、研究の準備段階として、従来の理論整理と仮説の検定、およびデータの分析を進めることにあった。 特に、本研究は、基盤研究(C)(稲葉和夫、平成20年~22年度)での分析の継続性もあることから、バングラデッシュを一例とり、投資受け入れ国側での比較優位、競争力の分析を行い、日本企業との関わりを検討するという分析スタイルをとった。Gravity Modelを用いた南アジア経済地域統合の効果についての分析は、公表論文Shariat Ullah and Kazuo Inaba(2011)においてまとめられている。更に、バングラデッシュの比較優位商品についての分析をまとめ、ロンドンでの国際学会で報告を行い、現在査読付き雑誌に投稿中である。バングラデッシュへの日系企業の進出が競争力にどのような変化をもたらすのかについては、現在日本企業の進出が著しい、インドネシア、ベトナムなどの状況を分析することを通じて明らかにしうると考えられる。ベトナムについては、南部の企業団地に進出をし、5年以上の操業経験を持つ、数社の日系企業を対象に調査を実施した。このように、従来の理論整理等は、単に文献をサーベイするという形式ではなく、実証分析、日系企業現地調査などを通じて進めた。 データベースについては、直接投資に関わる政府統計の接続性を検討し、異なる統計資料を時系列データとして利用しうることが確認できたので、計量分析のための基本的統計をほぼ整備することができたといえる。 次年度は、バングラデッシュの例を、ベトナム、インドネシアに拡張し、同様の分析を進めるともに、日系企業の海外進出に伴う競争力の計量分析を本格的に行うことが課題となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベースのコアとなる産業別、地域別直接投資の公的資料の公表が中断され、別の形で公表されたことから、時系列データとしての接続性が課題であったが、データの詳細な検討を通した統計の加工によって、問題を解決することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、ベトナム、インドネシアでのミクロ企業データを通じた競争力の分析とともに、日系企業の競争力に関する、計量分析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
直接経費1,100,000円の内訳は以下の通り。図書購入180,000円、国内旅費180,000円、海外旅費460,000円、人件費謝金240,000円、消耗品等40,000円
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Research Products
(4 results)