2012 Fiscal Year Research-status Report
アジア諸国における日系企業・欧米系企業の競争力の計量分析
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23530302
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
稲葉 和夫 立命館大学, 経済学部, 教授 (70117000)
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Keywords | 日本企業の国際競争力 (アジア諸国) / 輸出競争力(バングラデッシュ) |
Research Abstract |
本年度の課題は、バングラデッシュの例を、ベトナム、インドネシアに拡張し、同様の分析を進めるともに、日系企業の海外進出に伴う競争力の計量分析を本格的に行うことにあった。 昨年と同様に、年度当初はバングラデッシュをさらに進め、比較優位商品についての分析をまとめMd. Shariat Ullah and Kazuo Inaba(2012)でまとめた。 研究成果報告では、バングラデッシュの貿易の最大相手国であるインドとの輸出競争力に関して実証分析を行った論文を10月の日本経済学会(九州産業大学)で、南アジアにおける直接投資の決定要因を分析した論文を12月の計量経済学研究会(中京大学)、3月のイタリアベニスの国際学会で報告した。前者の報告論文については現在国際雑誌に投稿中である。 また、Japanese Foreign Direct Investment in Asiaというテーマでまとめた論文が、欧州出版社が発行する書籍の1章として、刊行することがほぼ確実になった。 近年日本企業が注目を集めているインドネシア、ベトナムの主要地域、数社の日系企業を対象に調査を実施し、当該国の日系企業の国際競争力を判断するうえでの基礎的情報を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に上記研究実績で明らかにしたように、研究テーマである日本企業のアジアへの国際競争力を検討するうえで、必要な投資受入れ国の例として、バングラデッシュの投資貿易の実証研究を共同研究とし一定の段階までまとめることができた。 また、日本企業の国際競争力に関して、海外の書籍の1章として掲載することができたことも当該年度研究の大きな達成と考えている。 ただ、本務校の業務等の調整の関係上、行うべきベトナム、インドネシアへの調査研究が日程的に不十分に終わった。特に、当該地域での欧州企業への更なる調査が必要となれている。その結果、当該地域にかかわる研究のまとめが次年度に持ち越したことが課題として残った。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度に当たる次年度は、まず何よりもアジアにおける日本企業と欧州系企業の競争力についての計量分析を完成させることが主たる目的となる。 そのためには、情報収集が不十分であった主要アジア諸国の欧州系企業の調査訪問を行うことが必要となる。 そのうえで、実証研究結果をもとに、国内、および海外での学会において研究成果の報告を行う。 学会の発表をもとに、研究成果論文の海外ジャーナルへの投稿を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記で述べたように、日程上の関係で予定していたベトナムでの調査が不十分に終わったため研究費の持ち越しが生じた。持ち越した研究費については、訪問先も再検討したうえで、主要アジア諸国の欧州系企業の調査訪問実施に充当する。
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Research Products
(6 results)