2011 Fiscal Year Research-status Report
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23530312
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
藤本 典嗣 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (90455907)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 中枢管理機能 |
Research Abstract |
本年度は、2000年、2005年、2010年の全上場企業の本社・支所(支社・支店・営業所・研究所)と省庁・都道府県による出先機関の立地・配置について、国内の全市町村(1712市町村)を対象としてデータを収集した。 これらのデータをもとに、2000年代の中枢管理機能再編の立地・配置上の特徴について明らかにした。民間企業の本社・支所立地については、同時期は、本社機能については横ばいでありながら、支所機能は大幅な縮小過程として捉えることができる。支所の立地条件の変化としては、高速交通網やICTインフラの全国的整備や拡張であり、立地要因の変化としては、長期不況によるオフィス維持管理コストの削減、規制型産業においては規制主体である出先機関の再編である。これらの条件・要因が複合的に重なりあって、全国的に支所機能が大幅に縮小している。行政的中枢管理機能の配置については、省庁再編(22省庁から12省庁へ)による出先機関の統廃合による特定都市への機関のさらなる集中として捉えることができる。既存の機関が配置されている都市へ集中していることの要因として、内閣機能の強化と権限拡大、縦割り行政解消や事務作業の削減や効率化が考えられる。 なお、本年度の研究成果については、中途報告として、日本計画行政学会第34回全国大会(2011年9月、東京)にて、「中枢管理機能の立地再編と生活圏の階層(2000~2010 年)」という題目で、ACMSA2011(2011年12月、中国・海南省三亜市)にて"The Change of Hierarchy of Urban System: Analysis of Office Location Restructuring in Japan (2000-2010)」"という題目で、それぞれ学会発表をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルバイトによる膨大な量のデータ収集エクセル入力、その図表化、ならびに中途報告としての学会報告について、概ね、達成しているために、(2)の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に収集されたデータを基にして、定住自立圏との関連を踏まえ、客観的なマクロ経済指標との整合性をもたせる。事業所・企業統計調査(総務省統計局)や国民経済計算の指標を用いて、各圏域の立地特化係数(「当該市町村のオフィス立地の対全国比÷当該市町村の事業所立地数の対全国比」)をはじめ各種係数を算出し、より客観的なマクロ数値と、中枢管理機能の関連性をもたせる。この解析結果を図表化に加え、視覚化のために、地図作成ソフトを利用して、立地数、立地特化係数などを地図にあらわす。なお地図作成ソフトは、株式会社マップクエスト社の「MapPaint」「MapQuestIVLite」の両ソフトを利用する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度と同様に、中枢管理機能のデータを収集するとともに、行政と企業の間に形成されている経済関係が、企業の中枢管理機能立地にどのような影響を与えているのかの実態調査(アンケート、ヒアリング)を、国内を対象におこなう。 さらに、日本と同様に階層型都市システムが形成されている東アジアの韓国・台湾の主要都市(ソウル・釜山・台北・高雄)を訪問し、企業や行政機関において、ヒアリング調査をおこなう。
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