2012 Fiscal Year Research-status Report
発展途上国における現金移転プログラムの有効性に関する研究
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23530313
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
児玉谷 史朗 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (00234790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅見 靖仁 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (60251500)
URANO Edson 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (80514512)
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Keywords | 国際研究者交流 / ブラジル:ケニア:フィリピン / 社会政策 / 国家財政 / 貧困削減政策 |
Research Abstract |
本研究はそれぞれ南米、アフリカ、東南アジアの事情に詳しい3人の研究者で構成しており、それぞれが各地域の現金移転プログラムについて研究を進めると共に、3人全員で毎年度1地域の現地調査を行っている。初年度(平成23年度)は南米のブラジルで、2年度目の平成24年度はアフリカのケニアでそれぞれ現地調査を実施した。平成24年度の研究実施内容は次のとおり。 1.ブラジルの現金移転プログラムについての研究 (1) ブラジルでの現地調査の結果の分析、(2) 本研究プロジェクトのウェブサイトの立ち上げ、(3) ウェブサイト上にブラジルの現金移転プログラムについての研究結果を掲載。 2.ケニアの現金移転プログラムの研究 (1) アフリカ特にケニアにおける現金移転プログラムの導入経緯と成果の評価に関する先行研究の整理、(2) 現地調査の準備、(3)ケニアでの現地調査の実施。 1(1)についてはウラノと児玉谷でブラジルの現金移転プログラムの研究結果をまとめた(未発表)。1(2)は、ウェブサイトを立ち上げた。1(3)については、近日中に研究成果を掲載する。 2(1)については、先行研究を整理し、ケニアでの現地調査計画書(英文)として纏めた。2(3)のケニア現地調査では、孤児・困難児童現金移転プログラム(CT-OVC)の事務局と「飢餓安全網・乾燥地プログラム事務局」で二つの現金移転プログラムの実施について聞き取りを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ケニアでの現地調査は予定通り平成24年度に実施した。ブラジルでの現地調査のまとめとそれに基づく研究成果の発表という計画は十分に達成されておらず、やや遅れている。ブラジルの現金移転プログラムについての研究は進めているが、研究成果として研究誌等に発表できる程度まで完成していない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、最終年度なので、本計画の3年度分全体の考察が必要である。これまで現地調査を実施したブラジルとケニアの現金移転プログラムを分析・考察してまとめる。また3年次の課題としてアジアの現金移転プログラムについて現地調査を実施する。当初はタイとカンボジアで現地調査を行う計画であったが、フィリピンで実施することにしたい。その理由は、当初計画時よりフィリピンは現金移転プログラムの研究に適した国の一つであったが、その後タイ・カンボジアよりもフィリピンで現金移転プログラムの実施が進展しているからである。8月、9月にフィリピンで現地調査を行い、その後はフィリピンでの現地調査のまとめを含めた3年間の研究のまとめを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に旅費が予算額よりも少なくてすんだので(移動の交通費等を一部自己負担としたことなどによる)、135,590円の余剰額(次年度使用額)が生じた。この余剰額は、平成25年度の旅費に充当したい。平成25年度は、メンバー(代表者と分担者)3名のフィリピンでの現地調査のための旅費として1,000千円程度、物品費として150千円程度、人件費として25千円程度を使用する計画である。
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Research Products
(1 results)