2012 Fiscal Year Research-status Report
中国の産業・都市集積,集積の経済と地域格差:GISデータによる研究
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23530319
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
陳 光輝 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (00188509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川畑 康治 神戸大学, 国際協力研究科, 准教授 (10273806)
橋口 善浩 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 開発研究センター, 研究員 (40432554)
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Keywords | 中国 / 地理情報システム / 集積 / 地域格差 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
前年度の分析によれば,長江デルタ地域の集積の経済効果は必ずしも有意でなかった。この点を掘り下げるため,当該地域のマクロおよびミクロレベルの集積経済効果の分析と直接投資企業の集積の生産性効果の分析を,とくに変数の内生性の問題に注意を払って行った。分析結果によれば,直接投資企業が現地の生産性を引き上げる効果は認められ,また,集積経済効果のうちの地域特化の経済も認められたが,有意な都市化の経済は検出できなかった。 また,2000年代後半から観測される省レベルの一人当たりGDPの格差縮小について分析を行い,内陸部は投資主導で高成長を達成したが,産業・都市集積の形成は明白でない;そして格差縮小は数量的には沿海部の既存集積の伸び悩みによるところが極めて大きいこと(寄与率にして80%以上)を明らかにした。 2010年のセンサスデータがまだ入手できておらず,これから確認すべきことは少なくないが,現時点までの結果によれば,中国経済の課題である既存集積の生産性向上,都市・産業集積建設による都市農村格差・沿海内陸格差の縮小は容易でないようにみえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度の結果を受けて長江デルタ地域の分析にエネルギーを割いたため,その他地域のデータセット作成と分析がやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はこの研究の最も重要なデータになる2010年人口センサスの県レベルGISデータの刊行が見込まれている。なるべく早い全国レベルのデータセット完成と分析に力を注ぐ。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
円安傾向が著しいので,データ購入予算を積み増しておく。
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