2011 Fiscal Year Research-status Report
グリーン・ジョブの波及効果に関する実証的研究-ドイツを事例として-
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23530321
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
上園 昌武 島根大学, 法文学部, 教授 (00314609)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 環境政策 / ドイツ / 経済政策 / 雇用 |
Research Abstract |
本研究の目的は、第1に、環境対策による雇用創出(グリーン・ジョブ)のメカニズムを理論的に整理し、第2に、ドイツのエネルギー・気候政策での成功事例の諸要素を抽出し、経済波及効果の特徴を明らかにし、第3に、グリーン・ジョブ政策のあり方を提示することである。 ドイツでは、研究対象となるグリーン・ジョブの先進事例が豊富にあり、実証研究のフィールドとしてふさわしい。そこで本研究では、ドイツでの現地調査を通じてエネルギー・気候政策に関する制度的分析と環境政策統合の実態把握を行い、グリーン・ジョブによる経済波及効果を明らかにする新たな政策評価手法を提示することを目指す。 平成23年度の研究は、これまでのドイツやEUの気候政策や経済効果に関する統計データ・資料の収集・整理を行い、現地調査に基づき、それらの現状と問題点を整理することが課題である。具体的には次の計画に基づいて行った。(1)グリーン・ジョブ研究全般について理論的な整理を行うこと、(2)ドイツやEUの気候政策全般の特徴を分析すること、(3)ドイツの統合気候エネルギープログラム(2007年)の現状と雇用創出などの経済波及効果を分析することである。 2011年9月に、ドイツの行政、市民団体などを対象に現地でヒアリング調査を行った。調査の内容は、(1)再生可能エネルギー、(2)機器類のエネルギー効率の向上(省エネ化)、(3)住宅・建築物の断熱性の向上、(4)農林業の活性化(地産地消)に関する先進事例であり、地域レベルでのグリーン・ジョブの実態把握を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
まず、グリーンジョブに関する文献サーベイを行い、先行研究の到達点を概ね整理することができた。また、ドイツやEUの気候政策全般の文献サーベイに取り組み、政策の現状把握と課題や問題点の整理を行うことができた。現地調査を行うことで、研究課題の適切性を確認し、政策評価を行うための資料を収集することができた。 これらの研究成果に基づいて、学術論文の執筆に取り組み、その一部を論文として刊行し、学会や研究会などでも研究報告を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究費は概ね計画的に執行することができたが、残額として約1万円が生じた。これは文献購入で生じた端数によるものである。この余剰金は、引き続き取り組む文献サーベイで必要となる書籍などの購入に充てる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、今年度と同様に、文献などの資料収集・分析を継続する(物品費)。そして、今年度の現地調査の結果を踏まえながら、新たな現地調査に取り組む(旅費)。調査にはドイツ語の通訳を同行させる(人件費・旅費)。学会や研究会などで研究成果の報告を行う(旅費)。
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Research Products
(3 results)