2012 Fiscal Year Research-status Report
「キャリア教育」の実効性-正課教育・課外活動・就職支援との分離と融合-
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23530342
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
浦坂 純子 同志社大学, 社会学部, 教授 (70289338)
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Keywords | キャリア教育 / 職業教育 / 知識教育 / インターンシップ / 普通科高校 / 正課教育 / キャリアデザイン / 留学生 |
Research Abstract |
「キャリア教育」は、若者の安定的な就業を促すことを目指して推進されてきた。しかしながら、未だ方法論が確立されておらず、教育現場の実情に合わせて様々に解釈され、運用された結果、期待しただけの効果が得られず、弊害さえ生じていることが懸念されている。そこで本研究では、就職に直面している高校、大学・短大を「キャリア教育」の実施段階として個別に対象とし、正課教育・課外活動・就職支援と関連づけてその実態を把握しながら、卒業後のキャリア形成過程における状況を評価することを通じて、あり得べ き姿を模索することを目的としている。 過年度に実施済みである普通科高校に対する調査票調査から得られたデータを用いて実証分析を行ったところ、「キャリア教育」の実施状況を規定する要因としては、進学率が低い高校ほど、切実な「需要」に応じて「キャリア教育」を実施しており、「実施可能性」の高い環境に恵まれている小規模校ほど、実際に「キャリア教育」が実施できているということが確認された。加えて、「キャリア教育」を包括的、複合的に実施すること(多種多様)、また長年の「キャリア教育」の蓄積があること(継続性)、学校以外の地域や家庭との連携が充実していることは、単発、単独の試みよりも優位性を持つことが明らかになった。 本年度は、これらの研究成果の報告、普及に努め、フィードバックに活用するためのWEBページの構築を完了させた。さらに、高校教育における「キャリア教育」の実践に協力することを通じて、事例の収集を手掛けた(合計3校)。また、大学教育における「キャリア教育」に関する事例の収集も並行して進め、現場で実際に支援活動をしているキャリアカウンセラーとの情報共有も試みた。その際、留学生に特化したキャリア教育への関心から、新たに調査票調査を実施した。次年度以降、詳細な分析を行う予定にしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過年度に実施した普通科高校に対する調査票調査から得られたデータの実証分析を、完成したWEBページや高校での「キャリア教育」の実践などを通じて広めることができ、さらに大学での「キャリア教育」に関して、新たな問題関心である留学生に特化した調査票調査が実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度実施した留学生に特化した調査票調査の詳細な分析および公表を第一に考えている。また、これまでの研究の進捗を見直し、新たな調査計画を練り直す予定にしている。なお、高校での「キャリア教育」の実践などを通じた事例の収集は、次年度も継続する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、次々年度からの大学・短大を対象とする調査の準備に着手することを念頭に置き、文科省による「大学生の就業力育成支援事業」に採択された180件の事業内容の整理と類型化を企図していたが、近年の急速なグローバル化と、大学・短大におけるグローバル人材育成の必要性を鑑み、留学生に研究対象をシフトしたため、研究費の使用に変更が生じた。次年度は、引き続き留学生の分析を手掛けつつ調査計画を見直し、実施する予定である。
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