2012 Fiscal Year Research-status Report
世界金融危機の理論・実証・政策ー内生的成長理論・PANIC・制度設計による分析ー
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23530367
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
宮越 龍義 法政大学, 理工学部, 教授 (60166139)
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Keywords | 国際格付機関 / IMF / 株価バブル / 世界金融危機のリスク伝染経路 |
Research Abstract |
研究の目的は、(i)理論的には金融市場を成長論に組み込んだモデルを発展させること、(ii)実証的にはPANIC(Panel Analysis of Nonstationary in Idiosyncretic and Common components)の手法を使って危機を解明すること、(iii)政策的には「メカニズムデザイン」の理論を使って危機に対する政策提言をすることである。今年度の研究目的は(ii)であることから、まず、国際格付機関やIMF・ADB国際金融機関という国際公共財を取り込んだモデルを使い、理論の応用と実証研究を行った。応用理論としては、論文” Is the Pragmatic Response to International Monetary Fund Quotas and Credit Limits Favorable?” APEA Conference(2012年6月)で、実証研究としては、論文” 2007 Hong Kong Stock Prices Bubble”をEAEA Conference(2012年10月)とPRE Conference(2013年3月)でその成果を報告した。他方、国際格付機関とIMFを取り込んだ 2公共財モデルを用いて、理論の応用を試みた。それは、論文"Equilibrium Structures of Two-Aggregate Games"としてAPEA Conference(2013年7月)で報告予定である。さらに、PANIC手法使用の準備として、時変係数EGARCHモデルを使い世界金融危機のリスク伝染効果を実証し政策立案の資料とすべく、論文”The Dynamic Contagion of the Global Financial Crisis into the Japanese Markets”を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的(ii)のBai &Ng(2004, Econometrica)によるPANICの計量手法の理解に手間取ったが、その前段階の知識を十分獲得した。
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Strategy for Future Research Activity |
目的(ii)のBai &Ng(2004, Econometrica)によるPANICの計量手法を使用することであったが、その理解が十分でなかったことから、次年度にはこの点を再検討して予定通りの進捗度を回復する。その後は、目的(iii)「メカニズムデザイン」の観点から危機を救済するための政策提言をする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に基本的な変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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Research Products
(7 results)