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2012 Fiscal Year Research-status Report

岩手県における主要企業と天候リスク及び天候デリバティブの活用に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23530373
Research InstitutionIwate Prefectural University

Principal Investigator

TEE Kian Heng  岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (70325140)

Keywords気象リスク / 天候デリバティブ / リスクヘッジ / 気温オプション / リスクスワップ / GARCHモデル / Hellinger距離 / VARモデル
Research Abstract

本研究は岩手県の産業の天候リスク及び金融商品である天候デリバティブを活用した場合のヘッジ効果について分析する。天候デリバティブについては気温オプション取引と気温スワップ取引を中心に分析を行う。気温オプション取引は金融機関から商品を購入するものであるのに対して,気温スワップ取引は金融機関を介さずに企業間が契約する取引である。
平成23年度は冬季における地域間の気温スワップ取引の可能性について1変量のGARCHモデルをもとに検証を行ったが,平成24年度は2変量のVARモデルによる気温シミュレーションのもとで,Hellinger距離の結果からやはりスワップ取引契約の可能性が低いという結果を得た。
次に岩手県を内陸北部,内陸中部,内陸南部,北上山地,沢内・湯田,沿岸北部,沿岸南部の7つの地区に分けて産業別の就業者数と純生産について市町村別の比較を行った。天候リスクに関連する産業のうち,内陸北部は農林業,内陸中部は農林業(岩手町),卸売行・小売業(盛岡市と矢巾町),電気・ガス・熱供給・水道業(盛岡市と矢巾町),宿泊業・飲食サービス業(八幡平市と雫石町)と運輸業・郵便業(紫波町と矢巾町),内陸南部(藤沢町)と北上山地(岩泉町と葛巻町)は農林業,沿岸北部は水産業と建設業,沿岸南部は水産業と電気・ガス・熱供給・水道業(釜石市)の比重が高いことがわかった。
上記の特徴をもとに,夏季の気温オプション取引の価格分析と気温リスクスワップ取引の公平性の分析を行った。気温オプション取引の価格はBurning Cost法(過去の気温をもとに価格を算出)と確率分布法(GARCHモデル)を用いて算出した。両方法による価格差があることを示すことができた。気温リスクスワップ取引の公平性はGARCHモデルによるシミュレーションのともで,Hellinger距離の結果から可能性が低いであることを示すことができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

岩手県を7つの地区に分けて,主要産業あるいは特化している産業を調べるのに時間がかかった。原因は7つの地区に分けたとき,沿岸地区のように漁業が中心であるというはっきりした特徴を得ることができなかった。さらに各地区について詳しく調べる必要がある。

Strategy for Future Research Activity

岩手県内に太陽光発電計画がある。日照不足と気温が発電に影響し,収入の減少につながる。天候デリバティブが活用してこのようなリスクを回避できると思われる。そこで2つの条件の天候デリバティブを設計して価格分析を行う。そして,費用対効果で商品が有効であるかどうかを検証する。
岩手県を7つの地区に分けて,主要産業あるいは特化している産業を調べたが,さらにどの程度天候リスクにさらされているかを調べる。それをもとに天候デリバティブが有効であるかどうかを検証する。例えば,避暑地などの宿泊施設の経営において猛暑となった場合,天候デリバティブ商品から受け取った補償額の一部を観光客に還元することで観光客を誘致することが可能であるかどうかを検証する。また,財政難と言われている岩手県の自治体が財政赤字の軽減のために,除雪費の平準化に天候デリバティブ商品を利用できるかどうかを検討する。
上記の分析において,観測点のない場所の気温オプションの分析について,佐野・Tee(2009)の手法に従い,気温データを近隣の観測点による補完で作成する。このよう作成した気温データのもとで算出した価格と近隣の観測点で算出した価格に差があるかどうかを分析し,近隣の観測点を用いて気温オプション商品を設定してよいかどうかを検討する。
最後に3年間の研究成果を総括する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

(1)7つ地区の現地の調査旅費
(2)研究動向,成果発表などのために旅費
(3)解析に必要なアプリケーションの購入経費
(4)関連分野の図書の購入経費
(5)雑誌の投稿のための校閲費と投稿費

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 岩手県県内都市における冬の気温オプションの価格分析とリスクスワップの分析2012

    • Author(s)
      Tee KianHeng
    • Journal Title

      岩手県立大学総合政策学会「総合政策」

      Volume: 14-1 Pages: 1頁-18頁

URL: 

Published: 2014-07-24  

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