2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530374
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
随 清遠 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (80244408)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 不良債権処理 / 原価法 / 低価法 / 土地再評価 / 繰延税金資産 |
Research Abstract |
この研究は銀行部門の不良債権処理プロセスに焦点を当てている.とくに1990年代後半における会計基準変更の影響を実証的に明らかにしたい.理論的には会計基準が強化レジームから容認レジームに変化しても,銀行の不良債権処理速度が促進されるかどうかは定かではない.この点について簡単な理論モデルを立てて分析した.1997-1999年の会計基準の変更は明らかに容認レジームへの変更であった.暫定的推計結果においては,このような変更は不良債権処理には役に立っていない.しかし,現行の推計には説明変数の内生性問題を処理しておらず,今後の課題として残っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論整理とデータ加工の作業はほぼ完了.推計方法にどう工夫するかは今後の課題.
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Strategy for Future Research Activity |
会計基準の変更は不良債権処理にどう影響したかは分析の焦点であるが,説明変数である会計基準の採択状況は内生的に行われた可能性がある.この問題を計量的手法を使ってどう解決するか,これは現在の難題である.さらに個別銀行の経営健全化計画は金融庁によって公表されている.この情報は上記の分析焦点に役に立つかどうかも検討する必要がある.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
原則として,初期の計画通りに研究費を使用する予定である.金融庁が公表した各銀行の経営健全化計画の情報を取り込むかどうかは今検討している.必要であれば,研究補助(人件費)を使ってこの情報を整理する.
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