2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530378
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
安藤 雅和 千葉工業大学, 社会システム科学部, 准教授 (00462169)
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Keywords | 不動産 / 大規模データベース / カルマンフィルタ |
Research Abstract |
不動産大規模データベースから、信用リスクを考慮した価格評価に寄与するデータ項目を効率よく抽出し、それらを統合してモデル化するための基盤技術の創出を目指した。そして、不動産市場における物件価格のベンチマークとなる指標の構築を目指した。近年、不動産証券化の市場規模の拡大により、投資家の情報の透明性の要望を受け、これまで困難とされてきた市場で取引された「取引価格」情報が一般に公開されつつある。不動産鑑定士による「鑑定価格」情報とのかい離度を評価することにより、従来の「鑑定価格」情報を活かしつつ、これまでの不動産価格の時間的な構造変動を評価することができるようになると期待される。さらに、対象物件の地理情報、物件を保有する企業の財務データや、各府省で管理されている政府統計データなど、価格付けに関連する項目を抽出することで、より市況にあった不動産価格評価モデルを構築することが期待された。本研究では、観測時点ごとの不動産価格を、時間的変化に対して状態空間モデルを想定した。状態空間モデルとは、直接には観測できない状態ベクトルから観測値が得られる様子を記述した、観測モデルと、状態そのものの更新される様子を記述した、システムモデルからなり、不動産の取引価格に関するヘドニック価格関数を観測モデルとすれば、不動産価格の形成要因に関わるパラメータの逐次的な変化を表す関数がシステムモデルとなる。一般に、観測値が与えられた下での状態の条件付き同時分布を求めるためには膨大な計算量を要するが、状態空間モデルに対しては、カルマンフィルターと呼ばれる逐次的な計算アルゴリズムによって状態の条件付き周辺分布を効率的に計算できる。これを用いて、時間的変化を考慮に入れた不動産価格評価を行った。
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