2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530380
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
白須 洋子 青山学院大学, 経済学部, 教授 (80508218)
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Keywords | 金融機関のM&A / 多角化 / クロスボーダー / アジア金融市場 / 銀行規制 |
Research Abstract |
平成25年度は,アジアの金融機関のM&Aに関する短期の分析を中心に行い,その分析をほぼ完了した.また,その成果を国内外の学会で複数回発表した.短期分析の視点はイベントスタディーを中心とする企業価値の短期効果分析及びSCARの要因分析を実証的に行ったことである.短期の実証分析結果によると,①クロスボーダー戦略は単なる業務多角化と比較しても大きく企業価値創造に貢献していること,②アジアの銀行の提携戦略は買収側と被買収側が貸出戦略を相互補完する形で行っているが,M&Aは不良債権処理の一環で救済型であること,③提携戦略のこうかは国の格付け,法体制,経済の自由度などの影響を大きく受けること,④提携は金融規制の影響を強く受け,特に,外国銀行の参入障壁を緩めたり,銀行の自主的なディスクロなどセルフ・モニタリングを促進することは企業価値向上に大きな貢献があること,がわかった. 特に国際学会での評判がおおむね好評であった.いくつかの学会誌や出版社から公表機会の打診を受け,平成24年度に執筆した日本国内の分析及び25年度に執筆したアジア金融機関の短期分析をそれぞれ別の査読付き専門journal(2誌)に投稿しているところである.さらに,学会発表実績を評価され,2つの海外学会でサイエンティフィック・コミッティーに選出されるとともに,4月に行われた海外学会である20th International Business Research Conferenceでは,Best Paper Awardを受賞した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請当初から予定していた短期分析の論文執筆は概ね完成している.既に2本の論文(平成24年度に執筆した日本国内金融機関の短期分析及び25年度に執筆したアジア銀行の短期分析)を執筆し,査読付き専門journal(2誌)にそれぞれ投稿しているところである.投稿結果によっては,今後の対応が必要な場合も予想される.
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Strategy for Future Research Activity |
既述のとおり,当初から予定していた短期分析の論文執筆は概ね完成しているが,平成25年度の学会発表の際,より内容を拡張しさらに長期分析をも行った方が良いとの指摘を受けた.よって,今後はこれらのコメントを考慮して,追加的な論文として新たに長期分析について執筆しているところである.この新たな論文は,夏以降,国際的な学会等で発表し(既にいくつかの学会発表受託あり),最終的な反応を確認の上,専門journalに投稿する予定である.つまり,最終的な論文としては,投稿中の短期分析のみならず,新たな論文としての長期分析からの解釈を試みているところである.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本申請当初に予定した短期分析の論文執筆はおおむね完成しているが,この論文を25年度に国内外の学会で発表した際,討論者等からより内容を拡張しさらに長期分析を行った方がよいとの指摘を受けた.よって,今年度はこれらのコメントを考慮して,追加的な論文として新たに執筆しているところである. 国内外の学会発表の旅費,学会参加費相当及び投稿費用に充てる予定である.新たに執筆している長期分析の論文は,本年度夏以降,国際的な学会で発表し,最終的な反応を確認の上,専門journalに投稿する.よって,最終的な論文としては,短期分析の論文のみならず,新たな論文である長期分析からの解釈を試みているところである.
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