2011 Fiscal Year Research-status Report
コーポレート・ガバナンスと雇用調整・配当調整:利害関係者への配分の決定要因
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23530384
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
久保 克行 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (20323892)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | コーポレートガバナンス / 雇用調整 / 配当政策 |
Research Abstract |
本研究の目的は、企業の業績が変化した時の従業員の処遇、株主に対する還元がどのように変化するかを実証的に検証することである。さらに、近年のコーポレート・ガバナンスの変化によって、これらの行動が変化しているかどうかを検証する。本年度はまず、実証研究のモデルを構築するための文献研究を行った。企業がどのように従業員数を調整するかという、いわゆる雇用調整に関する実証分析は、労働経済学の分野で広く行われている。いわゆるリストラと呼ばれているような大規模な雇用調整についても、数は少ないながらある程度の実証研究が存在する。一方、配当や自社株の購入など、企業が株主に対してどのように還元するのか、という点に関する実証研究は、企業金融の分野では広く行われている。しかしながら、日本ではそれほど多くなされているわけではない。これらの研究は、雇用調整や、株主還元のそれぞれに着目したものであり、「企業はだれのものか」という問題意識から分析しているわけでは必ずしもない。こういった分野に関する実証研究は数が多いわけではないが、ケースや理論的な研究は労使関係論や社会学の分野ではある程度の蓄積がある。このような文献を集中的に研究した。さらに、本年度は予備的なデータ収集を行い、どのようなデータが使用可能かを検証した。株主に対する還元および企業の業績等についてはNikkei Needsや日本政策投資銀行の財務データが利用可能である。従業員の処遇については、これらの財務データだけでは必ずしもカバーできない可能性があるため、新聞記事の検索などを通じてどのようなデータセットが作成可能かを吟味した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は文献研究および予備的なデータの収集を目的としていた。これらの計画はほぼ順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、日本企業について様々な情報を収集し、研究を行うためのデータセットを構築する。具体的には、企業財務データ、従業員に関する情報である。雇用の状況に加えてコーポレート・ガバナンスについても有価証券報告書などを用いて情報収集する必要がある。株主への還元を含め、財務データに関しては日経NEEDSや政策投資銀行の企業財務データベースなどから抽出する。 分析の対象としては、東京証券取引所の一部上場企業を考えている。しかしながら、データの収集の時間・費用がかさむ場合には東京証券取引所の上場企業のうち、日経225インデックスに採用されている企業のみを対象にすることも考えている。また、対象期間は、1989年から2008年までの20年間を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究では、研究補助者のための謝金、図書館等で情報収集するためのノートパソコン、統計ソフトウエアパッケージ、海外での学会報告のための旅費が必要である。データの整備に関しては、ある程度の時間をかけて行うことが必要である。そこで、研究補助者を依頼する予定である。図書館で情報する必要があるため、研究補助者が使用するためのノートパソコンも必要となる。雑誌や新聞記事で得たデータに関しては分析できるよう、コンピュータへの入力が必要である。これらのデータの整理・コンピュータへの入力に関しても研究補助者を依頼する予定である。分析に際してはバイバリエイト・プロビット分析やダイナミック・パネル分析を行うことから統計分析ソフトSTATAを用いる。STATAの購入費用が必要である。
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Research Products
(2 results)