2012 Fiscal Year Research-status Report
コーポレート・ガバナンスと雇用調整・配当調整:利害関係者への配分の決定要因
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23530384
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
久保 克行 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (20323892)
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Keywords | コーポレート・ガバナンス / 雇用 / 合併・買収 |
Research Abstract |
本年度は、前年度までに引き続き、企業の財務データ、雇用に関するデータおよびコーポレート・ガバナンス関連データをマッチしたデータセットをもとに実証分析を進めている。本年度は特に、合併のような企業組織の再編に伴う雇用条件の変化に着目して分析を行った。一般に、合併・買収、特に敵対的買収は雇用の削減や賃金の減少を伴うと考えられることが多い。しかし、合併・買収が雇用や賃金にどのような影響を与えるかは、必ずしも自明ではない。もしも合併・買収の目的が業務の効率化、不採算部門からの撤退および本業への資源集中などにより企業価値向上を図ることであるならば、雇用に対する影響は明らかではない。有能な経営者のもとで企業が発展するのであれば、従業員の労働条件が向上する可能性もある。いくつかの合併のケースに着目したところ、どちらの場合も、合併後に従業員数の削減が行われている。また、従業員数の削減は、合併後だけではなく、合併前にも行われていることが確認された。企業の財務データを用いた計量結果の分析も、このケースの結果と整合的であった。また、合併のタイプ、時期によって結果が異なっていることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
企業財務データ、雇用に関するデータおよびコーポレート・ガバナンスに関するデータを収集し、基礎的な分析を行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も、昨年度までの研究に引き続き、企業の財務データ、雇用に関するデータおよびコーポレート・ガバナンス関連データをマッチしたものをもとに実証分析を進めている。必要に応じて新たな変数を付け加える予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度も、昨年度までの研究に引き続き、企業の財務データ、雇用に関するデータおよびコーポレート・ガバナンス関連データをマッチしたものをもとに実証分析を進めている。専攻研究や企業の実態を把握するために図書が必要である。また、データの整備に関しては、ある程度の時間をかけて行うことが必要である。そこで、研究補助者を依頼する予定である。図書館で情報する必要があるため、研究補助者が使用するためのノートパソコンも必要となる。雑誌や新聞記事で得たデータに関しては分析できるよう、コンピュータへの入力が必要である。これらのデータの整理・コンピュータへの入力に関しても研究補助者を依頼する予定である。
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Research Products
(2 results)