2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530398
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Research Institution | Okinawa International University |
Principal Investigator |
池宮城 尚也 沖縄国際大学, 産業情報学部, 教授 (60341666)
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Keywords | 金融論 |
Research Abstract |
Cointegrated VARを利用して,2000年代半ばの日本における景気回復と量的緩和政策について検討した。主要な結論は,「営業利益の改善が株価の上昇と相まって実質消費にプラスのフィードバック効果をもたらし,物価と生産が回復した。但し,物価の回復は生産より著しく小さい」である。また,Cointegrated VARを利用することによって,非伝統的金融政策による景気回復メカニズムと,対応するマクロ経済環境を実証的に計測できる。インパルス応答関数の検証から,非伝統的金融政策による景気回復に対する効果や景気回復のメカニズムが明らかになる。そして,これらに対応するマクロ経済環境が,誤差修正項に対する仮説検定から明らかになる。ミクロ的基礎づけを持つ IS曲線・LM曲線・フィリップス曲線が誤差修正項を構成するので,明らかになるマクロ経済環境は,理論を反映したものになる。 以上の研究成果をもとに,日本金融学会誌『金融経済研究』に論文を投稿したところ,次の計量経済学的な指摘を受けた。これらの必要性に達したと考えると,研究成果と言える。 ①識別性の条件が共和分関係の中で成立していなければ,共和分ベクトルを経済学的な意味のある関係として識別することができない。②外生性について,その定義が明確でない。外生性についてはいくつかの定義があるため,注意深く検討する必要がある。③総供給関数や総需要関数を推計する際は,識別条件を課したもとで推計する必要がある。
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Research Products
(1 results)