2011 Fiscal Year Research-status Report
企業の資産評価額と資産売却価値の非整合性およびその問題解決へのアプローチ
Project/Area Number |
23530399
|
Research Institution | Yonezawa women's junior college |
Principal Investigator |
鈴木 久美 山形県立米沢女子短期大学, 社会情報学科, 准教授 (80386523)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇田川 大輔 苫小牧駒澤大学, 国際文化学部, 講師 (60434221)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 金融論 / 実験経済学 / オークション理論 |
Research Abstract |
株式の売買市場と企業の清算市場とで、企業価値に対する評価が異なることから、本来ならば存続するほうが社会的には効率的であるにもかかわらず、企業の切り売りという形で売却・清算が行われることがある。本研究は、株式の売買市場と企業の清算市場において、現状では1つの企業に対する価値評価が一致しない構造が存在することを示し、両者が一致するような売買方法を模索することで、社会的に非効率的な状態を解消する方法を探究することを最終目的としている。本年度の研究予定は、株式市場および企業清算市場の現状の理解および先行研究のサーベイおよびオークション理論を利用した現状分析であった。 サーベイに関して:終了した。サーベイ結果は、以下の研究とともに論文にまとめられる予定である。 オークション理論を利用した現状分析について:株式市場は、複数財オークションの市場であり、企業の清算市場は、組み合わせオークションの市場であると考えられるため、それぞれの市場についてモデルを利用して各市場の特性を説明した。これら結果については、論文としてまとめている。 また、両市場で収入同値定理が成立していないことを策定したモデルを利用して説明し、非効率的な企業の解体・売却が発生してしまう現状を明らかにする(オークションの制度設計による問題の解決・緩和の可能性の検討の)ためにオークションルールが異なる2つの市場では、収入同値定理が成立しないことを示す予定であったが、具体的な数値例を設定している前段階まで終了した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、サーベイおよびモデルによる現状の分析、来年度の実験のためのモデル策定であり、おおむね計画通りに進行している。 サーベイ:完了した 現状分析:分析は完了し、現在論文にまとめているところである。 来年度のモデルの策定:実験で利用する具体的な数値例を選定中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
実験経済学を利用し、オークションルールのパフォーマンスの評価を行う。平成23年度において、株式売買市場および企業の清算市場の現状について、オークション理論を用いてモデルで説明を行い、最適オークションルールの策定を行うが、平成24年度において以下の実験を行う予定である。 現状の様に収入同値定理が成立してない場合、実験においても存続が効率的な企業が解体・売却されるのかを確認する。これら実験については、下実験・本実験を予定し、実験の規模は、被験者100名程度を想定している。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は本年度の研究結果を踏まえ、策定したモデルのパフォーマンスを測るため実験経済学を利用する。研究費の多くは実験謝金に利用される予定である。 謝金:120万円 旅費:25万円 その他:15万円(論文投稿代、消耗品等)
|