2014 Fiscal Year Research-status Report
「岩手の入会」アーカイブ構築と資料分析を通した入会の現代的意義の批判的追究
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23530401
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
早坂 啓造 岩手大学, 人文社会科学部, 名誉教授 (60003985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 黎明 岩手県立大学, 総合政策学部, 名誉教授 (70070191)
横山 英信 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (70240223)
松岡 勝実 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (80254803)
比屋根 哲 岩手大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90218743)
山本 信次 岩手大学, 農学部, 准教授 (80292176)
岡 惠介 東北文化学園大学, その他の研究科, 教授 (90301697)
泉 桂子 岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (10457898)
吉野 英岐 岩手県立大学, 総合政策学部, 教授 (90305318)
三須田 善暢 岩手県立大学盛岡短期大学部, その他部局等, 准教授 (10412925)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 岩手の入会アーカイブ / 個別事例研究 / カリキュラム化 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は当初年度において次の目標を掲げた。1. 岩手入会アーカイブの構築、2. 個別的研究の集積、3. 社会的提言、4. カリキュラムへの組み込み、第3年度以降さらに5. 国際交流を加えた。 1. 国立公文書館つくば分館所蔵の民事判決原本から入会関連判決を調査選択し、デジタル資料として収集する作業は、引き続き着実に進捗し、総計329件5554駒コマに達した。しかしこれは、要調査総冊数の1/4弱に過ぎない。他の一級資料である岩手県庁文書庫資料をはじめ、在野資料の発掘蒐集を更に続けつつあり、このプロジェクトの継続を視野に入れて、作業を継続する必要がある。2. 個別的事例研究の集積については、10月以来、入会事例研究会を立ち上げ、分担研究者以外の参加者を得て、着実に成果を積み上げている。また、それを基に、啓蒙普及判として、次年度に向けて『岩手の入会事例研究』(仮題)の編集出版の企画準備も進めつつある。3. 社会的提言については、やや歴史的分析に重点が傾き、現状の問題把握が遅れていて、集約できる段階には至っていない。4. カリキュラム化については、大学内の恒常的なカリキュラムへの組み込みが難しく、2012年度の岩手大学での取り組みは1年だけに止まり、2013年度は岩手県立大学での学生・市民を対象とする公開講座の形を取って一定の成功を収めたが恒常的な組み込みにはいたらなかった。本年度は見送り、2015年度には市民講座の形を取って、より充実した形をとるべく、試行を進めようとしている。5. 国際交流については、連携研究者林雅秀の主宰により、M. McKean教授招聘の他ブロジェクトとの実施を通した協同もあり、その延長線上で、2015年の国際コモンズ学会での共同報告を行うべく準備を進めており、1の成果である岩手入会アーカイブの蒐集資料を素材としたラージN研究成果の世界学会への紹介を果たそうとしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 入会アーカイブ構築については、資料蒐集に旅費・資料複写費を要する国立公文書館を軸として、ほぼ順調に蒐集が進展しているが、資料蒐集対象となるべき784冊の内ほぼ200冊の調査を終えたに過ぎず、当初目標を達成するにはなおほど遠い。他の諸資料については、個別事例研究と対応して進行している。 2. 個別事例研究については、従来の理論・方法の批判的継承を含め、順調に進展している。 3. 提言については、現段階の分析まで手が及びかねているため、遅れている。 4. カリキュラム化については、、試行錯誤を続けているが、恒常的なものとするには、明確な方向を見いだせていない。 5. 第2年度以降追加された国際交流については、計画以上に進展している。 以上を総合すれば、目的が当初よりやや変更されたが、「おおむね順調」と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
目標の1.2.を集約する形で、『岩手の入会事例集』(仮題)の編集出版構想を進め、実現を図ると共に、5の成果を更に深める方向を追究する。とりわけ、「従来の理論・方法の批判的追究」については、あらたな方向提示を進められるよう、諸論点の集約を図るつもりである。 3,4,については、具体的な実施計画を進めながらそれぞれの方向を定め、次年度以降のプロジェクトの継続申請をも通して、その実現を進めて行くべく話し合いを進めている。
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Causes of Carryover |
当初申請時の最終年次配分予定額が、やや不足と思われたので、可能な範囲で繰り越しを考えた。 分担研究者の一部に、公務多用のため、年次計画に十分参加できず、結果として繰り越しとなった者もあった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年次は、資料蒐集用の旅費・資料代に十分使うほか、出版計画実現のため、編集・現地調査・出版費用に充てる計画である。
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Research Products
(24 results)