2011 Fiscal Year Research-status Report
近現代中国における農村経済発展モデルの構築と零細農化に関する実証研究
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23530411
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
弁納 才一 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (90272939)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 農村経済 |
Research Abstract |
2011年4月~2012年3月の本研究課題に関わる研究成果は以下の5篇である。 (1)「民国期中国の農村経済史」(『近きに在りて』第59号、2011年5月)。(2)「山西省の農村経済構造と食糧事情-臨汾市近郊農村高河店の占める位置」(三谷孝編『中国内陸における農村変革と地域社会-山西省臨汾市近郊農村の変容』御茶の水書房、2011年7月)。(3)「華東農村訪問調査報告(5)-2010年12月、江蘇省の農村」(『金沢大学経済論集』第32巻第1号、2011年12月)。(4)「華北総合調査研究所の刊行物について」(『近代中国研究彙報』第34号、2012年3月)。(5)「華東農村訪問調査報告(6)-2011年11月、江蘇省の農村」(『金沢大学経済論集』第32巻第2号、2012年3月)。なお、主に別の研究経費による研究成果で、本研究に関連する研究成果として、(6)「華北農村訪問調査報告(5)-2010年12月、山西省の農村」(『金沢大学経済論集』第32巻第1号、2011年12月)、(7)「華北農村訪問調査報告(6)-2011年8月、山西省の農村」(『金沢大学経済論集』第32巻第2号、2012年3月)がある。 (1)は、中華民国期中国の農村経済史に関する最近10年の研究を整理し、近現代中国農村経済史研究における新たな捉え方と枠組みを提起した。(2)は、かつて聞き取り調査を実施した農村の経済的位置(都市近郊農村としての経済的展開の特徴)を山西省全体の農村経済構造と食糧事情から明らかにしたものである。(3)と(5)は、中国農村の中で経済的最先進地域である華東農村を訪問して聞き取り調査を行い、地方政府において文献資料を収集した報告書であり、華北農村を扱った(6)と(7)との比較をも意識したものである。(4)は、日本軍占領下の北京に設立された華北綜合調査研究所が実施した華北農村調査とその調査報告書について網羅的に整理し、解題を付したものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究計画として想定していた「研究の目的」は、九州(九州大学及び大分大学)における資料収集が実行できなかったことを除けば、ほぼ達成することができたと思われる。とりわけ、論文の掲載などの研究成果の発表は想定以上となった。 昨年度は、東日本大震災の影響を受けて当該研究経費の暫定7割執行という措置が取られたために、夏季休暇中に出張を予定していた九州に出かける機会を逸してしまったが、図書貸借や複写の依頼が可能な文献の捜索に全力をあげた。 上記の「研究実績の概要」に記載したように、近現代中国農村経済史研究の新たな捉え方や枠組みを文章で提示・公表し、また、その研究の基礎となる文献資料(農村調査報告書)を整理したことは、本研究の基礎固めとして重要な意味を持つと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の研究の順調な進展を受けて、平成24年度以降も基本的には当初の「研究計画・方法」どおりに本研究を推進していくが、平成24年度は昨年度実行できなかった九州における文献資料収集を当初から平成24年度に予定していた山口大学における文献資料収集と合わせて行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
すでに述べてきたように、平成23年度に九州へ文献資料収集に出かけなかったことによって生じた「次年度使用額」は、平成24年度に山口大学へ文献資料調査に行く際に合わせて九州へも文献資料収集に出かけることによって使用したい。
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Research Products
(2 results)