2014 Fiscal Year Research-status Report
近現代中国における農村経済発展モデルの構築と零細農化に関する実証研究
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23530411
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
弁納 才一 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (90272939)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 経済史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、国内外において文献資料を収集して研究論文を作成すると同時に、華北農村と華東農村を比較する観点から、華東農村において簡単な聞き取り調査を実施した。まず、上海(上海市図書館)・南京(南京大学図書館)・北京(中国農業大学図書館、中国社会科学院経済研究所資料室、北京国家図書館)などにおいて近現代中国農村経済に関連する文献資料を収集し、北京市近郊農村・河北省東部地域(冀東地区)玉田県農村・河北省中部(冀中)石家荘地区農村の経済動態に関する研究論文を作成した。これによって、近現代において大都市(北京市)近郊農村が経済的に発展して都市化した結果、農村・農業・農民が消滅したこと、20世紀前半という比較的短期間において農村地域(石家荘地区)が急激な経済発展と開発によって農村・農業・農民が消滅して都市化したこと(石家荘市)、中華民国前期において棉作地だった冀東地区玉田県7ヶ村が商品経済の発展によって脱農化(農家戸数と農業従事者数の割合低減)と零細農化(零細自作農化・零細小作農化)が進行したことなどを明らかにした。また、江蘇省無錫市近郊農村(栄巷鎮小丁巷、胡dai鎮馬鞍村)において老人らから簡単な聞き取り調査も行った。これによって、科研費・基盤研究(B)(海外学術調査)で並行して調査を行っている華北の河北省保定市周辺農村との異同が見えてきた。なお、今年度の無錫市農村における聞取り調査で興味深かったのは、公有制企業である郷鎮企業が民営化していった過程についても話しを聞くことができたことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたよりも多くの研究論文を完成することができたことから、本研究は当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、国内外において精力的に文献資料収集を進め、研究成果(研究論文)を複数発表したい。
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Causes of Carryover |
文献資料収集のための中国出張において、大学内における業務の事情から、出張日数を短縮せざるをえなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内における文献資料収集のための旅費として使用したい。
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Research Products
(3 results)