2011 Fiscal Year Research-status Report
英領期シンガポールの経済成長と景気変動に関する実証的分析
Project/Area Number |
23530422
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
杉本 一郎 創価大学, 経済学部, 准教授 (50546364)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | シンガポール / 歴史統計推計 / 実証研究 |
Research Abstract |
本研究を開始するために,関連史資料の所在確認を行い、英国公文書資料館からデジタルDVD資料購入(CO275, CO940,CO953,CO1022)を購入し、その他関連分野の資料ならびに文献も揃えた。8月にはシンガポールで文献の検索をおこなった。現在、その統計資料を基に、歴史GDP推計のためのデータ入力を行っている。学会報告では23年度中に、本構想に関連して、4つの国際会議での報告を行った。23年8月4-6日の期間に開催されたSingapore Economic Review Conference 2011にて"Trade, the staple theory of growth, and fluctuations in Colonial Singapore, 1900-39"と題して、本構想のパイロット的な研究の成果を報告した。また9月後半に、一橋大学とロンドン大学(LSE)にてシンガポールならびに英領マラヤの経済成長に関する実証研究の報告をそれぞれ行った。24年3月末には、学習院大学で開催されたHistory of Consumer Culture 2012にて「シンガポールにおける民間最終消費支出推計」と題して歴史統計推計について報告を行った。シンガポールで報告した論文をAustralian Economic History Review というPeer Journalに提出し、条件付きで受理された。現在、訂正を加えて再提出の準備中である。 当初の予定していた京都大学とイギリスでの資料収集だが時間の関係上行く事ができなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学会報告と、構想に関連した実証研究のジャーナルへの掲載に向けては、当初予定したよりも早い速度で、成果はでた。その一方で本構想の要である。歴史GDP推計のデータ入力が思いのほか進まなかった。特に、資料の性質を読み込み、適当なフォーマット作りをするのに時間が思いのほかかかり、人件費を計上していたが、複雑な入力作業上自身で行うしかなかった。また追加資料の選定と絞り込みも予定通りには進まなかった。本年度は、この分の遅れを訂正していきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
歴史GDP推計のデータ入力の効率化と、研究時間の計画的な確保を行っていく。また、現在作成中の推計ノートを活かして、更に追加的にワーキングペーパーの作成、ジャーナルへの投稿を推進していく。当面は、現在受理された1本の論文掲載を目指す。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1) 歴史GDP推計継続とデータベース、推計方法ノートの作成 [4月-9月]:平成23年度に入手した資料を基に、データベースの構築と推計作業を継続的に行う。推計の終わった項目ごとに推計方法を記載したノートの作成を行う。(2)経済成長と景気変動の内的外的要因に関連する資料の収集と精査 [5月-9月]:個別課題2に関連した資料の収集と、精査を行う。このため,第1回イギリス調査で抽出したCO273と関連する書籍の購入を設備備品費に計上した。(3)国外での研究発表(第1回) [7月]2012 年7 月9-13 日に南アフリカのStellenbosch で開催される第16 回世界経済史会議のパネルで研究成果の一部を発表予定(現在ロンドン大学SOASのAnne Booth教授が担当するセッションにパネラーとして担当する事が決定済み).(第2回) [9月]一橋大学で開催されるAsian Historical Economic Conferenceで、歴史GDP推計の一次結果に関する研究発表を行い。その際に受けた批判を踏まえた上で研究の中間総括をおこない,未完の研究課題の特定と翌年3月に行う第2回シンガポール調査でとくに留意すべき点を確認する。(4) 1870-1899期の英領シンガポールのGDP推計の第1次推計を終了し、各項目の推計ノートを終了させる。1870-1939、1946-58期の経済成長と、景気変動を説明する内的・外的要素について整合性を確かめる。その上で個別課題3の実証分析に必要な従変数、独立変数を明らかにする。
|
Research Products
(5 results)