2011 Fiscal Year Research-status Report
20世紀ドイツにおける地域計画と地方自治に関する研究
Project/Area Number |
23530424
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山井 敏章 立命館大学, 経済学部, 教授 (10230301)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国土計画 / 地域計画 / 地方自治 / ドイツ / バーデン・ヴュルテンベルク |
Research Abstract |
20世紀ドイツの国土計画・地域計画システムの特質を、とくに地方自治の問題と関連させながら明らかにすることが本研究の目的である。平成23年度の研究実施計画には、(1)バーデン・ヴュルテンベルク州国土計画法(1962年)の制定過程、(2)同州1971年国土開発計画の策定過程、ならびに、それと結びついて進められた1962年国土計画システムの転換、(3)上記の期間、同州における地域計画策定の主体となった地域計画連合の活動、以上の三つを柱としてあげておいた。このうち(1)については論文(英文)を完成し、海外の学術雑誌に投稿した(採否決定待ち)。(2)、(3)については、それぞれ論文の初稿を書き上げることができた。これらに彫琢を加えて論文として完成させることがつぎの課題となる。 夏期休暇を利用してドイツに出張し、コブレンツ連邦文書館で史料を収集した。収集した史料は主として、1965年連邦国土整備法の成立過程に関わるものである。ドイツ(西ドイツ)では、国土計画策定の権限は基本的に各州政府のもとにあるが、各州の国土計画を連邦全体として調整する必要に応えるために制定されたのがこの国土整備法である。しかし、同法成立までのプロセスは、連邦と各州政府との権限争いをはらむ緊張に満ちたものとなった。コブレンツで収集した史料はこのプロセスに関わるものであり、現在順次読み進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記したように、平成23年度の研究実施計画にあげた三つの課題のうち、ひとつは論文にまとめ、他の二つについても最初の原稿を書き上げることができた。史料収集もほぼ順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時にかかげた研究の全体構想は、(1)1950/60年代のバーデン・ヴュルテンベルク州における国土計画・地域計画システムの構築過程、(2)1920年代以降、とくにナチ期における国土計画・地域計画システム、(3)バーデン・ヴュルテンベルク州における国土計画・地域計画の最近の動向、という三つの柱から成っていた。今後もこの柱に即して研究を進めていく。「研究実績の概要」にあげた三つの柱はこのうち(1)に関するものであり、初稿完成段階まで進んだ2本の原稿を論文として仕上げることが平成24年度の重要な課題である。さらに上の(2)、(3)に関する史料収集を進め、順次読み進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
夏期ないし春期休暇を利用してドイツに出張し、史料収集にあたる。行き先としてはコブレンツ・シュトゥットガルト等を予定している。「研究実績の概要」で言及した二つの初稿論文は、まず学会で報告し(うち一つは、平成24年度5月、名古屋大学での社会経済史学会全国大会で報告予定)、その上で完成論文に仕上げていく。以上の出張のための旅費の他、文書館等での史料コピー代、関連文献の購入などに研究費をあてる。
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Research Products
(2 results)