2013 Fiscal Year Research-status Report
20世紀ドイツにおける地域計画と地方自治に関する研究
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23530424
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山井 敏章 立命館大学, 経済学部, 教授 (10230301)
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Keywords | ドイツ / 国土計画 / 地域計画 / 地方自治 / モデルネ / ゲアハルト・ツィーグラー |
Research Abstract |
当該研究課題について、「戦後ドイツの国土計画と中心地論」と題する論文を学術雑誌に発表した。さらに「戦後ドイツの地域計画と地方自治」と題する論文を学術雑誌に投稿し、2014年中の掲載が決まっている。これら二つの論文は、第二次大戦後、1970年代初めにいたるまでの西ドイツ国土計画の展開、それが抱えた問題を、バーデン・ヴュルテンベルク州の事例研究にもとづいて明らかにしようとしたものである。とくに、同州で追求された「下から」の国土計画の支柱を成した地域計画連合(地域計画策定を目的とする域内自治体等の連合体)に注目し、この組織が、1960年代半ば以降の行政改革のなかで解体・再編を余儀なくされていくプロセスを追った。ドイツでは基本法(憲法)によって、域内の開発に関する計画高権が各基礎自治体に保障されている。より広い地域を対象とする国土計画・地域計画が各自治体の利害と合致する保証はなく、むしろ両者の対立・矛盾が、ドイツに限らず、国土計画・地域計画につねにつきまとう重い問題となる。この矛盾を解き、あるいは少なくとも緩和するためにドイツではどのような方策がとられてきたのか。ドイツの国土計画の検討を通じて、この国における地方自治・民主主義のありようについて考察を加えた。 論文としてはさらに、ドイツ東部のシュレージエン(現ポーランド領)を対象に、第二次大戦下ドイツの国土計画を検討したものを執筆している。また、研究成果の一部を、研究会・講演会で発表した。 以上の研究を進める上で,関連する文献・史料を読み進めるとともに、夏期休暇を利用してドイツに出張し、コブレンツ、シュトゥットガルト、コンスタンツ、ミュンヘンの文書館で史料を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究実施計画にあげた諸課題に即した論文を、学術雑誌への掲載可となったものを含めるとこれまで4本発表してきた。あと一息で、当初の企図をほぼ達成できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究業績の概要」に記した第二次大戦期に関する論文を完成し、学術雑誌に投稿する。既発表の論文と合わせて一書にまとめ、研究を完成させたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の春期休暇中、史料収集のためドイツに出張する予定であったが、校務と重なり日程の調整がつかなくなったため、次年度使用額が生じた。 平成26年度の夏季休暇中に、予定していたドイツ出張を行うこととし、次年度使用額はその経費に充てる。
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