2012 Fiscal Year Research-status Report
近世京都町人の人口データベースを用いた社会経済史的分析
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23530425
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
浜野 潔 関西大学, 経済学部, 教授 (40288585)
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Keywords | 歴史人口学 / 近世都市 / 京都 / 宗門改帳 |
Research Abstract |
歴史人口学研究において、これまでデータが乏しく研究の進んでいなかった大都市の人口について、近世後期京都の宗門人別改帳を素材に研究を進めている。本課題開始以前、すでに28町99冊の史料のデータベースを完成していたが、23年度、24年度の作業によりさらに2町154冊の史料を追加し、データベースの大幅な拡充をはかることができた。データベース化にあたっては、大学院でトレーニングを受けた者をアルバイトとして1名雇用し、史料上の疑問点について徹底的な洗い出しを行った。このクリーニング作業にはほぼ1年間を必要としたが、データベースの精度はきわめて高いものになり、様々な応用研究での利用が可能になったと評価できる。なお、このデータを利用して本年度、European Social Science History Conference(ヨーロッパ社会科学史会議、2012年4月、グラスゴー大学)、日本人口学会大会(2012年 6月、東京大学)、Social Science Hisitory Association Annual Meeting(社会科学史学会、2012年11月、バンクーバー)の3つの学会でそれぞれ報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ入力担当のアルバイト作業員の熟練度が少しずつ高まることにより、作業のスピードが速まった。その結果、予想以上に早くデータベースの作成が進行している。研究成果は、国内の学会で1回、国際学会で2回の報告を行ない、その内容を明らかにするとともに、質疑応答を通して問題点の整理を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、2013年6月に日本人口学会大会(札幌市立大学)、11月にSocial Science Hisitory Association Annual Meeting(社会科学史学会、シカゴ)での報告がすでにアクセプトされている。これらの報告をステップとして、まずは国内の雑誌に論文を掲載するとともに、次年度以降、さらに国際的な学術誌への投稿にも取り組んでいきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続きデータベース化に関しては、アルバイトの人件費が必要となる。また、研究成果の発表のため、交通費(研究会出席のため大阪-東京2回程度、日本人口学会での報告のため大阪-札幌1回、Social Science Hisitory Association Annual Meetingでの報告のため大阪-シカゴ1回)を必要とする。
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Research Products
(4 results)