2012 Fiscal Year Research-status Report
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23530430
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
田名部 元成 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (10313462)
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Keywords | ゲーミング・シミュレーション |
Research Abstract |
1.代理データシミュレーション手法が依拠する認識論について、前年度の成果に基づき、代理データシミュレーション手法の認識原理としての抽象的意味とゲーミング知との関連を探求した。結果、問題解決指向のゲーミング・シミュレーションの形而上学としては、参加型パラダイムの親和性が高いが、その認識論については、デザイン科学的研究の依拠するプラグマティズムとの親和性が高いことを示唆され、認識論としてプラグマティズムを据えるアクション・ラーニング、情報システムにおけるデザイン科学研究、および問題解決指向シミュレーション・ゲーミングの哲学的基盤の相違分析により、代理データシミュレーションは、プラグマティックな認識論に立つデザイン指向問題解決型モデリング手法として位置付けられた。 2.モデリング支援システムの実装について、ゲーミング・シミュレーションのモデルと同じモデルを内包するローカルPCのスプレッドシート上で動作する代理データシミュレーションを実施できる環境をプレイヤに提供し、様々な角度から代理データシミュレーションを行うことによって、構築中のモデルに対する意見をフィードバックさせるという手法を開発し、その実装を行った。さらに、クラウド上で動作するモデリング支援システムの実装に向けた技術調査とプロトタイプの実装も行った。 3.モデリング手法の評価モデルについて、基礎的な文献調査を行うとともに、定量的評価と定性的評価の両者を組み合わせた試行的な評価指標を設計した。この評価指標は、上述した代理データシミュレーション・システムとともに、予備実験において評価された。 4.シミュレーション・モデリングの有効性と有用性の評価について、2回の実験によりデータを収集し、モデリング主体の学習に焦点を当てた分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度以降の当初計画は、ゲーミングを主体とするモデリング手法の評価モデルの設計を行い、シミュレーション・モデリング支援システムを設計・実装し、これらの両者の上に各種モデリング手法の評価実験をおこない、各種モデリング手法の比較と代理データシミュレーション手法の有効性と有用性を評価するというものであった。 モデリング手法の評価モデルについては、基礎的な文献調査を行い、定量的評価と定性的評価の両者を組み合わせた試行的な評価指標を設計し、代理データシミュレーション・システムとともに、予備実験において評価されており、包括的な文献調査は行われていないものの、概ね順調に進展している。また、モデリング支援システムの実装については、ゲーミング時の特定のゲームモデルと同一モデルを内包した代理データシミュレーション・システムのローカルシステムで動作するプロトタイプを構築しており、汎用な代理データシミュレーション・システム、およびそのクラウド上への本格的な実装までは行われていないものの、概ね順調に進展している。シミュレーション・モデリング手法の有効性と有用性の評価については、2回の実験によりデータを収集し、モデリング主体の学習に焦点を当てた分析を行っており、研究全体の最終段階の一部にも着手しており、この点についても概ね順調に進展していると言える。 平成23年度に実施できず、平成24年にその実施を計画した点については、代理データシミュレーション手法が依拠する認識論についてより深度の高い分析を展開し、一定の知見を得ており、シミュレーション活動を記述するための枠組みやその代数系の構築といった一部の発展的な内容を除いて、概ね順調に進展している。 研究全体として、概ね当初計画通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1.シミュレーション活動を記述するための枠組。平成23年度の成果に基づき、ビジネス・シミュレーション活動自体を記述するための数理的枠組を完成させる。 2.シミュレーション代数系の構築。代理データシミュレーションを中心として、シミュレーション・モデルに対する操作的な取り扱いを可能とする代数系を構築する。 3.モデリング支援システムのウェブサービスとしての実装。平成24年度のプロトタイプ版を発展させ、特定モデルのみならず、汎用のゲームモデルに対して、代理データシミュレーションが行えるウェブサービスをクラウド上に展開する。 4.モデリング手法の評価モデルの精緻化。モデリング手法の評価モデルに対する調査をより包括的に行い、平成24年度に行った実験結果に基づき、代理データシミュレーション手法を用いたシミュレーション・モデリング方法に対するより精緻な評価モデルを構築する。評価は、平成24年度に行った実験に基づき、定量的評価と定性的評価の両者を組み合わせたものとする。 5.シミュレーション・モデリングの有効性と有用性の本格的な評価。平成24年度に行った2回の実験の詳細なデータ分析と、評価モデルの包括的な文献調査に基づいて、各種のモデリング手法を評価するための実証実験を行い、それぞれの手法の利点と欠点を明らかにする。特に、代理データシミュレーション手法が利用可能な場面とその場面に応じた評価を行い、代理データシミュレーション手法が、シミュレーションのもつ各種の認識論に照らしてどのような意味があるかを同定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
〔物品費〕平成25年度推進方策(1)―(4)を遂行・完了するために、シミュレーション&ゲーミング、クラウドコンピューティング、研究方法論、数理モデリングに関連する書籍を購入する。また、それらを閲覧するための環境も整備する。 〔国内旅費・国外旅費〕推進方策(5)と(6)の遂行のために、国内2か所(岩手県立大学と京都大学を予定)と国外2か所(中国・華東師範大学、イタリア・サッサリ大学を予定)の研究機関にて調査と情報収集を行なう。また、(1)―(6)の成果は、国内2か所(経営情報学会と日本シミュレーション&ゲーミング学会の全国大会を予定)や国外2か所(ICIS2013(イタリア)、ABSEL(米国)を予定)を通じて行う。 〔謝金等〕シミュレーション・モデリングに関連の深い研究者を招へいし、ワークショップを2回開催する(専門的知識の提供)。 その他、データの集計については、大学院生をアルバイトとして雇用する。
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Research Products
(7 results)