2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530440
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
宮川 壽夫 大阪市立大学, 経営学研究科, 准教授 (30584049)
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Keywords | ペイアウト政策 / コーポレートファイナンス / エージェンシー理論 / 所有権理論 / フリーキャッシュフロー |
Research Abstract |
本研究の目的は、企業による利益配分(ペイアウト政策)の意思決定メカニズムを解明することにあります。注目する観点として企業が保有する人的資産等の特殊性資産への株主による評価が利益配分にどのような影響を与えるかというテーマにあります。本研究は日本企業を対象とした財務や株価データを用いる仮説検証型研究であり、データベースの構築、企業へのインタビュー、仮説の設定、実証というプロセスで実施する計画です。 当該年度は第二フェーズとして、企業へのインタビュー並びに機関投資家へのインタビューを実施し、仮説構築と実証の一部を前半期に完了しました。当初の予定ではサーベイ論文として発表する計画でしたが、予想以上に早く良好な実証結果を得ることができたため2013年1月に、これらの結果を著書『配当政策とコーポレート・ガバナンス~株主所有権の限界』(中央経済社)にまとめ、出版にまでこぎつけることができました。 経営者自己抑制仮説、経営能力評価仮説、特殊性資産評価仮説という三仮説について一定の結論と成果が得られたことにより、当初の計画はほぼ予定通り順調に進行していると自己評価しております。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は企業へのインタビュー並びに機関投資家へのインタビューを実施し、仮説構築と実証の一部を前半期に完了しましたが、予想以上に早く良好な実証結果を得ることができたため2013年1月に、これらの結果を著書『配当政策とコーポレート・ガバナンス~株主所有権の限界』(中央経済社)にまとめ、出版にまでこぎつけることができました。 現段階で経営者自己抑制仮説、経営能力評価仮説、特殊性資産評価仮説というオリジナルな三仮説について実証を行い、当初の研究目的であった利益配分のメカニズムに対して一定の成果が得られています。したがって当初の実行計画はほぼ予定通り順調に進行していると自己評価しております。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究における次年度以降を第三フェーズと位置付けており、さらなるデータを加えた実証分析と、実証結果の発表ならびに研究の完結に向けての修正作業が主体となります。第三フェーズにおける実行計画は以下の通りです。すなわち、第一にデータのアップデイト及び対象企業数追加による検証結果の確認、第二に関連研究の進行に関するアップデイト作業、第三に研究成果の発表となります。特に著書にまとめた内容を研究成果ごとに切り出し、検証アップデイトとアップデイトの結果の発表、さらにはこれまで研究においてインタビューという形でご協力いただいた企業と投資家への報告並びに意見交換を行い、学術誌に論文を掲載することが重要事項と考えております。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
第一にデータアップデイトのためのデータ使用料、第二に関連研究の進行アップデイトのための飼料購入料、第三に発表と報告のための出張旅費、等が重要な使用計画となります。具体的にはデータアップデイトには日経FQの使用とデータをまとめる上での作業をサポートするための各種委託費、関連研究のアップデイトには既存の論文検索システムと書籍の購読料、出張は学会発表とインタビュイー報告を含めて国内を中心に10回~20回程度を計画しております。
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Research Products
(1 results)