2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530443
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
幸田 達郎 文教大学, 人間科学部, 准教授 (30468368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹沢 安治 中央大学, 総合政策学部, 教授 (00146953)
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Keywords | 刷り合わせ / 新制度派経済学 / 日本的経営 / 国際競争力 / 能力開発 / 育児 / 少子高齢化 / リーダーシップ |
Research Abstract |
【内容】webを用いた質問調査からは最終的に2,100名からの回答を得た(うち最終年度700名)。また31名に対して合計2,343分のインタビュー調査を行うことができた(うち最終年度29人2,065分)。 ●第一に、企業間および企業内の刷り合わせが有効に行われる制度的な条件、および属人的条件としてのリーダーシップの型を調査した。●第二に、刷り合わせを有効に行うための能力とその能力がどのようにして形成されていったのかを調査した。●第三に、刷り合わせを有効に行う当事者としての育児経験者の業務能力(特に調整能力)について調査した。 【結果】●第一に、刷り合わせが有効に行われる制度的条件として目標の統合が重要であるということが明らかになった。●第二に、刷り合わせを粘り強く有効に行う際に重要な個人の資質はそれぞれの経験から育まれるものであるが類似した経験から能力を向上できる場合とそうでない場合があり、この相違にはより根源的な個人特性が大きく影響していると考えられることが分かった。●第三に、刷り合わせの訓練の場としての“育児経験”にはプラスとマイナスの両面があり、プラスを活かす工夫が必要であることが明らかになった。 【意義・重要性】本研究による結果の意義は以下の2点である。すなわち、●第一に、日本企業の一般的な強みである「刷り合わせ」が有効に働くための制度的条件や属人的能力が明確になったことは、今後日本企業が持続的な競争力を維持・向上するための施策を考える際の有益な情報提供を行い得たと考えられる。●第二に、賃金をはじめとするコスト競争力の低下とともに少子高齢化が進み就労人口が減少していくことが予測されるなかで、育児のために家庭に眠っており再活用が充分になされていない潜在労働力の掘り起しのヒントを提供するものとなったと考えられる。 今後、より詳細な状況や条件の組み合わせを検討していきたい。
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