2012 Fiscal Year Research-status Report
取引コスト・アプローチによるアニメーション・ビジネス拡大化―新たな輸出産業研究―
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23530445
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
遠山 正朗 千葉工業大学, 社会システム科学部, 教授 (90306390)
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Keywords | 取引コスト / アニメーション・ビジネス / コンテンツ |
Research Abstract |
本研究の目的は、取引コスト・アプローチに基づいて、アニメーション・ビジネスにおける取引を円滑にし拡大するための枠組みを研究することにある。この目的達成により、アニメーションの輸出国である日本のアニメーション産業のさらなる発展を支持するための取引拡大化要因を明らかにし実践上の方向性を示す。当研究課題の補助事業期間内においては、アニメーション・ビジネスにおける取引について取引コスト理論から接近することによって、取引を拡大していく上での課題を明らかにするとともに取引拡大化に向けた枠組みの提案まで行う。本研究の目的を達成するにあたっては、アニメーション・ビジネスの現状に関する調査およびコンテンツの取引に関する現状の調査と、情報通信技術を背景とした取引を理論的に読み解くための取引コスト理論研究が両輪となる。そこで当年度においては、アニメーション・ビジネスの現状に関する調査およびコンテンツの取引に関する現状の調査を進めた。現在のコンテンツの取引は、インターネットを用いる配信によって特徴づけられている。これについて特定性の視点からアプローチすると、ネットワークコンテンツの特定性が低く、現在の市場の成長の仕方は特定性を低くする側面があるため、新規顧客を獲得しようとする企業にとっても、新規顧客にとっても望ましい。そして、アニメーション・ビジネスの分析を進めると、商品販売やキャラクターショー、ミュージカル等の各種イベントといった関連事業のセグメントに伸びが見られることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進めている研究の方法的および内容的妥当性について、進捗している研究内容の纏りで発表することにより確認の一助としてきているが、ここに至るまでおおむね計画通りに達成されてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
情報通信技術の技術的進化を背景として、アニメーション・ビジネスにおける取引の状況は変化の途上にあることから、適時性は重要な問題となる。そのためアニメーション・ビジネスの取引の状況把握に留意して研究を進める。また、本年度同様、進捗している研究内容の纏りで発表することにより研究の方法的および内容的妥当性について確認していく。なお、研究発表1件が次年度での開催分となったことから研究費を繰り越しているため、発表頻度を高める計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究の実施に必要なものとして、アニメーション産業関係図書、企業論関係図書などがある。これまでの研究過程において一部は入手済みであるものの、最新の状況把握および分析の必要性から購入の計画がある。また、進捗している研究内容を発表するための研究成果投稿料および研究発表旅費、外国語論文の校閲など、当研究の目的を達するための研究費使用計画がある。なお、研究発表1件が次年度での開催分となったことから研究費を繰り越しており、これに伴う研究成果投稿料および研究発表旅費などの研究費使用計画がある。
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