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2012 Fiscal Year Research-status Report

企業の組織再編(M&A)が研究開発効率に及ぼす影響に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23530448
Research InstitutionTokyo University of Science

Principal Investigator

石井 康之  東京理科大学, その他の研究科, 教授 (10408742)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 長平 彰夫  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10323122)
Keywords特許出願価値
Research Abstract

平成23年度に得られた特許データを用いて算出した特許出願価値を用いて、その指標データが研究開発成果の代理変数としての妥当性を有するかどうかについて検証を行った。
具体的には、まずM&Aデータに基づいて抽出したM&A実施企業の財務データを入手し、各企業の各年について次のデータを算出した。各年の資本投資額を各年の資産額の増加額と減価償却費を用いて算出し、それをデフレータにより基準化した上で、減衰率を推定した上で資本ストックを求めた。さらに、各企業の人件費関連支出を合計し、それを賃金指数によってデフレートし、労働投入量を求めた。被説明変数とすべき付加価値を日銀方式により算出し、GDPデフレータによって基準化した。さらに、特許出願価値と特許出願件数について、減衰率を計算した上で、それらのストックを算出した。
これらデータをコブダグラス型生産関数(被説明変数は付加価値)に適用し、説明変数としての特許出願価値ストックと出願件数ストックが、有意にプラスの効果を発揮するかどうかを確認した。
分析の結果、特許出願価値ストックは有意にプラスの効果を発揮することが確認されたが、特許出願件数ストックでは有意な結果が得られなかった。そのことから、今回求めた特許出願価値は、企業の生産性にプラスの効果をもたらす指標であることが確認でき、その意味で研究開発成果指標として用いることの妥当性を立証することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度までに、M&A実施企業の特定、特許データの入手、財務関連データの取得を行い、それによってM&A実施企業の研究開発成果指標を策定し、それが統計的にも、実態的にも妥当性を有するかどうかを確認することとしていた。
平成24年度までに得られたデータを基にして、因子分析手法を発展させた単一潜在変数モデルを適用して、特許出願価値を算出した。そして、それが企業の生産性を示す付加価値と有意にプラスの関係を有することが確認でき、特許出願価値が研究開発成果指標として有効であることが統計的に確認できた。また、企業インタビューを通して、特許出願価値指標が企業の抱く研究開発成果と齟齬がないことも確認でき、実態的な裏付けも得ることができた。
その意味で、当初の研究計画通りに研究を進展させることができ、無事に妥当な結果を得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

まず、平成25年度においてはM&Aの研究開発効率に及ぼす影響の検証をM&A事例データ、企業財務データを使用して、基本OLS回帰式により分析する。
具体的には、M&A実施企業とそれと同業種、同規模、同程度の利益水準を有するM&A未実施企業を加えて、それら二つの種類の企業について、特許出願価値をM&A実施前後について算出する。得られた特許出願価値を被説明変数として、各企業の研究開発費をコントロール変数に用い、M&A実施前とM&A未実施企業のすべての年を「0」、実施後を「1」とするダミー変数を付加し、そのダミー変数にかかるパラメーターがプラスになるか、それともマイナスになるか、そしてその値が有意な結果を持つかどうかを確認することで、M&Aの実施が研究開発効率にプラスの効果をもたらすか、それともマイナスの効果をもたらすかについて、実証的な結論を得ることとする。
平成26年度においては、M&Aが研究開発効率にもたらす効果に何らかの影響を及ぼすと考えられる要因にかかる代理変数を策定し、それらが研究開発効率の変化にどのようなM影響をもたらすかを検証する。想定される要因としては、M&Aの実施形態(合併か買収かの違い)、M&A実施企業どうしが有する技術の類似度、M&A実施企業が同業種か異業種か、両当事者企業の相対的な規模などが考えられる。それらの代理変数としてどのようなデータが適切かを確認しつつ、分析を進めていく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

M&Aの研究開発効率に及ぼす影響を基本OLS回帰式により分析するためのソフトウエアプログラムの購入、M&A実施企業のM&A前後での研究開発効率の変化の分析、さらに変化をもたらすことになったと考えられる技術的背景についての実態をインタビューするための旅費等に費消する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2012

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 研究開発成果指標の把握-株式時価総額との関係から-2012

    • Author(s)
      石井 康之
    • Journal Title

      日本経営システム学会誌

      Volume: 29 Pages: 165-170

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 特許属性データの経営分析への活用2012

    • Author(s)
      石井 康之
    • Journal Title

      日本経営システム学会誌

      Volume: 29 Pages: 225-232

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 知的財産政策と経済発展2012

    • Author(s)
      石井 康之
    • Journal Title

      金融財政ビジネス

      Volume: 10246 Pages: 15-15

  • [Presentation] 研究開発成果指標の検証-株式時価総額との親和性から2012

    • Author(s)
      石井 康之
    • Organizer
      日本経営システム学会
    • Place of Presentation
      早稲田大学早稲田キャンパス14号館
    • Year and Date
      20120602-20120602

URL: 

Published: 2014-07-24  

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