2011 Fiscal Year Research-status Report
企業の組織変革行動における阻害要因に関する理論・実証的研究
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23530472
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松田 陽一 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (20346406)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 組織変革 |
Research Abstract |
本研究における2011年度の成果は大きく、(1)文献・資料渉猟によるデータ収集が進んだこと、(2)実証調査に関わる測定次元設計に関わる予備調査ができたことである。これは、当初の計画通りである。上記(1)については、主に、組織変革プロセスにおける(1)阻害要因、(2)発生メカニズム、(3)発生タイミング、(4)除去方法、(5)促進要因に関する新たなデータ(知見)を収集することができている。渉猟対象は、文献(洋・和):50、論文30、辞典・資料類:20である。とくに上記(1)(2)(3)について、社会心理学における「抵抗」研究のアイディアを応用できることが判明した。端的に個人の心理的側面からの研究成果を組織変革に応用させることへの若干の齟齬はあるものの、現象説明が豊富になることは大きな進歩であると考えられる。また、(5)についても、コンサルタント等の実務家が提示している実践事例から、キーワードとして「従業員の参加」「短期的成果」「不安・不信の解消」が再度確認でき、および新たに「説得による転換(反対者を賛成者にする)」を抽出することができた。上記(2)については、予備調査として3社の企業の役員に対してインタビューをすることができている。ここでは、学生時代から企業勤務を通して、組織変革の阻害・抵抗と推進に関する経験を自由に語ってもらうことで、(6)阻害の認識(何をもって阻害とするか)、(7)除去方法(どうやって除去するのか)、(8)除去終了(何をもって阻害がなくったとするのか)、(9)推進要因(阻害の反対要因はないのか)の測定次元に足りうる用語を見出すことができている。例えば、(6):無視、反抗、怠業等、(7):参画、対話、(8):業績向上、活性化、日常行動、(9):人事制度、組織構造施策、新商品(事業開発)などが判明している、これらの成果を基に、具体的な調査表(質問項目)を作成し、実施することが次年度の課題になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記9に述べている通りである。大きな遅れはない。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の本年度は、具体的には、引き続き渉猟調査を行うこと、および実証調査(企業および従業員対象にした質問票によるアンケート張さとインタビュー調査)を行うことを予定している。研究費は主に、これらの渉猟と諸調査に関する費用(質問票作成・郵送費、インタビュー旅費・テープ起こし費等)であり、これは、来(2013)年度も予定している。なお、アンケート調査(従業員対象)の国内企業とインタビューの海外企業が未定であることが課題である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記に述べている通りである。
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