2011 Fiscal Year Research-status Report
コーポレート・アポロジアの有効性を探究するー不祥事から復活する方法論の構築ー
Project/Area Number |
23530473
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
築達 延征 広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (50255238)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 危機管理 / 広報 / コーポレート・コミュニケーションズ / CSR / 企業倫理 / 不祥事 |
Research Abstract |
企業の不祥事に対する従来の取り組みは、危機管理システム・コンプライアンス・CSRという予防策とディフェンスが中心である。しかし、本研究の研究対象であるコーポレート・アポロジアは、「不祥事はどの企業にも起こりえるもので、予防策とディフェンスにも限界がある。予防策・ディフェンスよりも、復活の手法に主眼をおくべきだ」との発想からアメリカで生まれた新たな危機対応のあり方である。本研究では、(1)企業不祥事のケース・スタディー、(2)マス・メディア情報の分析、(3)企業インタビューにより、コーポレート・アポロジアの有効性を考察する。さらに、その理論的発展の貢献を目指す。平成23年度は、コーポレート・アポロジアに関する文献のクリティカル・レビューを行った。コーポレート・アポロジアとは複合領域であり、学際的にレビューする必要があった。まず、コーポレート・コミュニケーションズの分野で、コーポレート・アポロジアに関する英文の学術論文のクリティカル・レビューを行った。英文の学術論文を検索、収集するために、オンライン・データベースを利用した。国立国会図書館に出向いた。さらに、春期休暇中にアメリカの大学図書館で文献検索・収集、図書の閲覧を行った。なお、平成23年6月に慶応大学湘南・藤沢キャンパスで開催される2011年度組織学会研究発表プログラムで報告を行った。さらに、企業の危機管理、コーポレート・コミュニケーションズの専門誌であるCorporate Communications: An International Journal (Emerald出版)が主催するCSR Communication Conferenceが平成23年10月にオランダのアムステルダムで開催され、そこでも報告を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、文献のクリティカル・レビューが中心的な活動である。ただ、文献を集め、読みこなすだけでなく、その中から得られた知見をまとめることができた。さらに、組織学会で報告し、さらにCSR Communication Conferenceでも報告することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に収集した文献・資料をもとに、コーポレート・アポロジアに関するケース・スタディー論文を完成させる。ここでは、単なるケース分析ではなく、Yin (2009)のCase Study Research等にもとづき、メディア情報をアーカイバル化することで、理論と融合させる。さらに、Euro-Asia Management Studies等の国際学会で発表すべく、査読制審査に投稿する準備をする。平成23年の春に収集した企業不祥事のケースに関するアメリカのメディア報道を分析する。なお、Euro-Asia Management Studies学会で査読制を通過した場合、学会報告を行う。データの集計・分析・解釈を受け、結果を論文にまとめ、論文化を行う。さらに、国際レフェリー・ジャーナルへも投稿する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文査読制の国際学会を通過した場合、旅費として計上する。さらに、投稿原稿の編集・校閲代にも研究費を支出することになる。
|
Research Products
(2 results)