2012 Fiscal Year Research-status Report
コーポレート・アポロジアの有効性を探究するー不祥事から復活する方法論の構築ー
Project/Area Number |
23530473
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
築達 延征 広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (50255238)
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Keywords | 危機管理 |
Research Abstract |
企業の不祥事に対する従来の取り組みは、危機管理システム・コンプライアンス・CSRという予防策とディフェンスが中心である。しかし、本研究の研究対象であるコーポレート・アポロジアは、「不祥事はどの企業にも起こりえるもので、予防策とディフェンスにも限界がある。予防策・ディフェンスよりも、復活の手法に主眼をおくべきだ」との発想からアメリカで生まれた新たな危機対応のあり方である。本研究では、①企業不祥事のケース・スタディー、②マス・メディア情報の収集・分析、③企業インタビューにより、コーポレート・アポロジアの有効性を考察する。さらに、その理論的発展の貢献を目指す。平成24年度は、日本企業のアメリカでの不祥事に関するアメリカのメディア報道の収集と分析を行った。アメリカのメディア・データを分析するにあたり、解釈における言語・文化のずれを修正するため、カリフォルニア州立大学で教鞭をとる企業危機管理の専門家にチェックしてもらった。研究成果として、6月に立命館大学で開催された組織学会研究発表大会で発表した。さらに、11月にシンガポールで開催されたEuro-Asia Management Studies学会の査読制審査に論文を投稿し、発表した。また、本研究の要旨をDiamondハーバード・ビジネス・レビュー11月号ならびにワイエムビジネスレポート7/8月号、9月号に掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、企業不祥事のメディア・データの収集と分析が中心的活動であった。日本国内では入手が困難な日本企業のアメリカでの不祥事に関するメディア・データを収集し、アメリカの企業危機管理の専門家とともにその分析を行った。組織学会ならびにEuro Asia Management Studies Associationで研究発表を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に収集した学術文献ならびに平成24年度に収集し、分析したメディア・データをもとに論文を完成させる。さらに、コーポレート・アポロジアに関連する企業とのインタビューを試みる。CSR Communication Conference等の国際学会で発表すべく、査読制審査にも投稿する。また、国際レフェリー・ジャーナルへも投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文査読制の国際学会で発表する場合、旅費として計上する。さらに、投稿論文作成での共同作業の必要に応じ、アメリカの大学で教鞭をとる企業危機管理の専門家を招聘する場合もある。また、企業へのインタビューで、国内旅費を支出する。データの分析にあたり、ソフトウェアーも購入する。投稿原稿の編集・校閲代にも研究費を支出する。
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Research Products
(2 results)