2014 Fiscal Year Annual Research Report
開発途上国における連携に基づく多国籍企業の市場展開モデルの構築
Project/Area Number |
23530475
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
星野 裕志 九州大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (60273752)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 市場参入 / 開発途上国 / 連携 / BOP / ビジネスモデル / 非営利組織 / ソーシャル・ビジネス |
Outline of Annual Research Achievements |
日本企業は、従来から重視してきた先進国・中進国市場の成長の鈍化で、開発途上国市場を目指すも、参入の遅れとアプローチの模索の状態にある。今後日本企業が開発途上国への市場参入を進めるにあたっては、今までのビジネスとは異なる手法が求められる。それは、開発途上国市場に適した販売方法の工夫、現地の流通チャンネルのアクセス、簡略化された製品の開発や低価格の商品提供などの市場ニーズに則した方法と並んで、非営利組織との連携も選択肢として挙げられる。 元来異なる方向性を有する企業とこれらの組織が、事業展開において協働するためには、現地での社会的な課題解決への貢献に繋がる事業のモデルの構築が意識される必要がある。現地での社会的課題の解決に貢献し得る事業展開があり得るのであれば、これらの組織との協働が有効に機能する可能性が考えられる。連携を通じて、企業にとっては、第一に相互の組織の資源や専門性の活用、第二に現地へのアクセスや様々な組織への仲介、第三に、パイロット事業の貴重な機会の獲得、第四に異なる視点での市場の創出や先行する企業との差別化要因となり得ることを発見事実として確認した。一方で、このような事業展開については、現状において企業内の組織、専門人材、経験とノウハウの蓄積、企業の意識など、多くの課題があることがわかった。 研究実施計画に基づいて、国際援助機関、NGOなどの非営利組織と開発途上国に段階的に取り組む多くの企業にヒアリングを行い、またバングラディシュのグラミンと協働する企業の事例の例から、ひとつのモデルの抽出に成功した。多国籍企業学会、アジア経営学会、国際ビジネス研究学会、日本経営学会での研究報告と学会誌等の論文掲載を通じて、本研究からのインプリケーションを明らかにした。「開発途上国における連携に基づく多国籍企業の市場展開モデル」の構築という所期の目的を達することができた。
|
Research Products
(2 results)