2012 Fiscal Year Research-status Report
企業の境界とイノベーション:自動車技術の電動化における企業間関係のマネジメント
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23530477
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
朱 穎 九州大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (50334610)
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Keywords | 国際情報交換 / スタンフォード大学 / ロイヤル・メルボルン工科大学 |
Research Abstract |
今年度は、昨年の研究成果を踏まえて、実証研究に必要な継続調査、及び研究成果の公表という二つの側面から研究活動を行ってきた。実証研究に関しては、夏休みを利用して、スタンフォード大学に短期訪問研究員として滞在し、自動車電動化技術に関するる時系列データ、各種コンサルティング・レポートを収集した。またスタンフォード大学で開催された研究セミナーに出席し、現地の研究者と本研究に関する意見交換を行った。このように、国内外の研究リソースを活用しながら、自動車電動化技術の流れが企業のダイナミック・ケパビリティにいかなる影響を与えているのかについて、資料分析を行った。 実証研究の進行と同時に、昨年の文献レビューの成果をより拡張し、技術、戦略、さらにダイナミック・ケパビリティに関する文献研究を行った。特に、欧米経営学の中で注目されている、「認識」と「フレーミング」の概念に焦点を当て、フレーミング・プロセスが技術変化、及びケパビリティの形成に関与する分析枠組みの抽出作業を行った。 研究成果の公表に関しては、イノベーションとダイナミック・ケパビリティとの関係に関する研究論文は、第7回ISMOT Conferenceに採択された。また、共編著として、『Advances in Technology and Innovation Management』の第1巻はIEEE Technology Management Councilにより出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外の研究者ネットワークとの交流、また海外コンファレンスでの研究発表によって、研究の進捗状況はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は主に研究成果の国際発信及び、国際ジャーナルへの投稿に注力する予定である。既に、三つの海外のメジャー学会で研究成果を報告することが決定している。4月にスタンフォード大学で開催する「組織学習とイノベーション」に関する国際ワークショップに出席し、研究報告を行う。また、イノベーション研究の領域で著名なDRUID Societyに論文が採択され、6月に発表する予定である。さらに8月のアメリカ経営学会(AoM)での研究報告も予定されている。 こうした国際学会での研究報告から得られるフィードバックを元に、「イノベーションのフレーミング・プロセス」、及び「認識枠組とダイナミック・ケイパビリティ」に関する原稿をさらに修正し、国際ジャーナルへの投稿を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は三つの国際学会で研究発表を行う予定である。そのため、海外渡航費としてアメリカ2回(スタンフォード大学、アメリカ経営学会)、スペイン1回(DRUID Conference)の海外出張を予定している。また、海外ジャーナルへ投稿のための原稿校正費も予定している。
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