2012 Fiscal Year Research-status Report
ビジネスパーソンに求められる創造性とその発揮に関する実証研究
Project/Area Number |
23530484
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
開本 浩矢 兵庫県立大学, 政策科学研究所, 教授 (90275298)
|
Keywords | 創造性 / モチベーション / パフォーマンス管理 / 自己効力感 / 知性 / 知能 |
Research Abstract |
本年度は当該研究プロジェクトの2年目となる。当該研究プロジェクトは、ビジネスパーソンに求められる創造性とその発揮に関する研究を目的としており、企業組織における創造性にフォーカスを当てることにその独自性がある。初年度に当たる昨年度は、主として文献の渉猟を行いつつ、その内容を吟味することに主眼を置いた研究活動を行った。あわせて、海外学会にも積極的に参加し、諸外国での創造性研究に最新状況についても情報収集に努めた。こうした文献資料に関する分析結果をまとめた成果として、創造性研究の体系的なレビューを詳細に行った著書(開本・和多田(2012)『クリエイティビティ・マネジメント』白桃書房)を発行することができた。 本年度はこうした文献レビューの追加的に行うことと平行し、ビジネスパーソンの創造性に関する定量的調査(具体的にはアンケート調査)を分析し、我々の分析モデルの検証を行った。検証の結果は、査読付き英文雑誌に掲載された(Hirakimoto,H. & Watada, R., “Analysis of the Personality, Motivation, Ability, and Environment Affecting Creativity in Japanese Business,” Psychology Research, Vol.2, No.7, pp.396-407, 2012)。本稿では、日本企業のビジネスパーソンの創造性を規定する要因を探求し、積極性、仕事のおもしろさ、過度な仕事負荷といった要因が抽出された。加えて、創造性とIQテストで測定される知的能力との相違も明らかになった。さらに、創造性と人事考課などの業績変数との相関関係も確認され、創造性が日本の企業組織においても重要な業績規定要因であることが判明した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の研究計画では、本年度は、先行研究の収集をうけて、概念モデルの構築であった。本年度の研究成果は当初の研究計画通りの内容であるとともに、概念モデルを定量的データによって検証するプロセスも含んでおり、その点では、計画以上に進展しているとも考えられる。次年度以降、継続的に課題に取り組むこととしたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の進捗はおおむね順調であったため、研究計画の変更はとくに必要がないと考える。一方で、本年度に収集した文献資料および定量的データのうち、一部の分析は実施していないため、次年度以降実施していく必要があると考える。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|
Research Products
(1 results)