2012 Fiscal Year Research-status Report
海外経済協力政策の実現に向けた、「社会課題解決型」BOP支援事業の構築と展開
Project/Area Number |
23530492
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Research Institution | Surugadai University |
Principal Investigator |
水尾 順一 駿河台大学, 経済学部, 教授 (30316773)
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Keywords | 国際情報交流(米国、グアテマラ、メキシコ) / サスティナビリティ / 社会的課題の解決 / コーヒービジネスによるCSV(共益の創造) / BOPビジネス / NGOとの連携 / メキシコヤクルトによる栄養改善活動 |
Research Abstract |
平成24年度の研究活動の概要は以下の通りである。 1.24年8月までに、23年9月にリサーチしたガーナでのシェアバターにかかわるBOPビジネスの論文をまとめた。 2.24年8月2日~5日に米国のボストンで開催の「Society for Business Ethics(米国経営倫理学会)」にて、BOPビジネスに関する研究成果の発表。論文の執筆他学会報告の準備をした。 3.海外出張(学会報告、研究取材)①米国,7月31日~8月1日:ワシントンDCにて国際NGO「Conservation International」本部を訪問、環境保護に対するNGOの活動を取材、②米国、ボストン:24年8月5日上記学会にて報告:テーマはA study of strategic CSR and the BOP business practiceーFrom the perspective of organizational sustainabilityー、③グアテマラ:8月6日~12日伊藤忠関連会社Unexグアテマラ社取材、グアテマラのコーヒー農園、加工場(ウエットミル、ドライミル)、有機栽培農園、スターバックスコーヒー産地、スターバックスC・A・F・Eプラクティスの実施状況、アロテナンゴ農業組合、レインフォレストアライアンス加工場をそれぞれ取材、④メキシコ:8月13日~19日メキシコヤクルト本社、工場、販売会社、プエブラヤクルト(代理店)の取材、およびヤクルトレディーへの密着取材(同行販売でマーケットリサーチ)※8月20日帰国、21日成田着
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当研究における「BOPビジネスの現状と課題の抽出」について、初年度に引き続き文献研究を実施し、これまでの先行研究を俯瞰した。その上で8月にワシントンD.C.で自然保護団体のNGO(コンサベーションインターナショナル)を取材し、スターバックスのコーヒーシェードに関する取組をリサーチすることができた。その後、グアテマラにあるスターバックスの農園を取材し、現地住民の生活支援と環境保護活動、さらにはサプライチェーンとの連携などをリサーチし抱える課題も把握することで、ほぼ2年目の目的は達成したと考える。その間、論文や書籍の執筆、日米の学会やシンポジウムで研究成果の発表、マスコミなどへの掲載など、広く社会に研究成果を情報発信し貢献した
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の25年度は大別して以下の通り計画している。 1.24年度7月までに、昨年のリサーチ結果であるメキシコヤクルトによるグロ-バルCSRとBOPビジネスにかかわる論文をまとめる。2.上記内容を盛り込んだ内容で『人にやさしい会社―安全・安心、絆の経営』として白桃書房から出版(2013年4月)。3.「時代と共に歩む、経営倫理20年の軌跡と将来展望」を加筆修正し、英語論文としてまとめJournal of Business Ethics に投稿する予定。4.昨年8月に米国のボストンで学会「Society for Business Ethics」で発表した論文を、英語書籍としてニュージーランドMassey University の研究者と共同出版を計画。5.2013年12月~2014年1月の期間で、東ティモールへ「千のトイレプロジェクト」をリサーチ予定(約1週間) 6.次の2件の学会報告を予定:①2013年6月9日(日)日本マネジメント学会全国大会3日目、統一論題で「BOPビジネスの変容:戦略的CSRからCSVへ、その要諦と展開」を報告予定、②2013年6月15日(土)日本経営倫理学会全国大会2日目、統一論題で「失われた20年、日本における経営倫理の軌跡と将来展望~経営倫理(企業倫理)、コンプライアンス、コーポレート・ガバナンスそしてグロ-バルCSRの視点から~」
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費については上記の研究活動に関して主に以下の3つがあげられる。 1.東ティモールへのリサーチ活動にかかわる費用 2.ニュージーランドにてCSR研究、および出版打ち合わせへの参加費用 具体的には海外取材費(渡航費、宿泊費、謝金その他) など。 3.その他研究活動に必要な書籍、情報端末機器、ソフト、備品の購入など。
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