2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530522
|
Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
出水 力 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 外来研究員 (20330136)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 輝幸 大阪産業大学, 経営学部, 准教授 (60388353)
遠原 智文 大阪経済大学, 経営学部, 准教授 (50369930)
石坂 秀幸 大阪産業大学, 経営学部, 教授 (50573698)
義永 忠一 桃山学院大学, 経済学部, 准教授 (00351677)
|
Keywords | アセアン / 自動車産業 / 電子関連産業 / 縫製業 / 生産のグローバル化 |
Research Abstract |
マレーシアでは、2輪車のスズキ、ホンダの工場とアームストロングオートパーツ、エンジン部品の加工をするリズム部品、自動車ボデーのトヨタ車体などを見学した。スマートホンなど電子部品企業の田中電子では精密ボンディングワイヤーの引き抜き、水晶振動子の日本電波工業では極薄膜加工、超小型モーターのコア部品のプレス成型の黒田精工を周った。 タイでは自動車関係でトヨタの2つの工場を見た、一つは乗用車工場と、もう一つは日本では見られないアセアンモデルのピックアップトラック工場である。後者はトラック兼乗用車というべき性格を有している。日野自動車は大型トラックとトヨタ用ピックアップトラックのラザーフレームが生産の主体である。 自動変速機のジャトコは、最新設備を備え日産の現地生産をサポートする体制にあった。ナブテスコの建機部門はコマツ製作所の協力部品工場で、油圧モーターなどコア部分を担当していた。パナソニックの協力工場の村元工作所を数年ぶりに訪ねたが、家電の不振から脱却すべくカーオーディオの生産に力が入れられていた。樹脂部品・ダイカスト部品の企業は多く、5社を見学した。 ベトナムではホーチミンにある中小零細企業向けのロンドウック工業団地のレンタル工場を見て回った。ラオスではスーツ、カンボジアではベビー服の縫製などを見学した。 以上の調査結果から、もはや産業の空洞化は死後になった。 生産のグローバル化の進行は避けられなく、海外現地生産をこなしている企業は、国内との生産の棲み分け、仕事の還流などを行うことで、利益を上げている。その結果、貿易収支は赤字が続くのは当然の帰結に過ぎない。海外直接投資のリターンを、今後ますます増加させるには現地に出かけ日本的な技術経営を地道にこなせる人材の育成は不可欠であり、真に現地化出来る人材を、老人大国化した日本から輩出出来るかにかかっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
概ね計画通りに海外現地の調査は進行したが、日本の本社工場などと現地の生産状況の比較を行うため必要な国内の調査が予定よりやや遅れた。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記したように当初の調査計画で予定したが、台湾と日本国内の調査が不十分となった。この分を今年度内に実施して、調査目的を達成する覚悟である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の調査予定は概ね達成できたが、海外に進出した日系企業のうち、補足的に日本のマザー工場を調査しないと理解出来ないモノがあり、時間的に現地調査と同時並行的に出来なかった。 上記したように、国内の技術移転の母体となったマザー工場の実態調査を地域ごとにまとめて数回実施し、合わせて都内などにある本社などのヒアリングも行う予定である。
|
Research Products
(8 results)