2011 Fiscal Year Research-status Report
情報通信技術がBtoBサービス開発プロセスに与える影響に関する研究
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23530523
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
西岡 健一 関西大学, 商学部, 准教授 (40553897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 知惠子 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90254234)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | サービタイゼーション / サービス / ICT / 企業間関係 |
Research Abstract |
(1)研究成果に関しては、2011年7月に企業間関係とICT技術が援用して起こるサービス革新について、セブンイレブンとNRIの企業間関係に注目した事例を学会発表した。この研究発表成果は、学会で得られた意見を元にして大幅に改良され、英文査読誌に投稿した結果、受理され、2012年3月に掲載された。またリテール・ソリューション領域においては、入店客数の把握システムによるサービス・デリバリーの効率化をソリューションとして提供するサービス開発を研究対象とした事例を研究している。これについては、2011年7月よりクランフィールド大学と共同研究を行い、同年9月にイタリアにて学会発表を行った。本研究については、引き続きクランフィールド大学と共同で研究を深化させており、2012年7月に学会発表が決まっている。(2)事例開発については、神戸にある臨床検査機器会社との共同研究を一年間行い、製造業のサービス化ビジネスモデルについて、特にサービス提供プロセスに着目し、事例研究を行った。これについても2012年度も引き続き共同研究を行うことが決まっており、具体的な研究成果を出す予定である。(3)BtoB取引におけるサービス化に関しての定量研究については、製造・サービス業の経営層から2600人を選び出し、BtoB取引におけるビジネスのサービス化に関する質問紙調査を3月に実行した。特にBtoBにおける企業間関係とサービス化の関係、IT-enabler概念のより具体的な定量化を目指している。このような本格調査は、日本はもとより海外においても類のないものである。これについても2012年度に分析を行い、2013年度に研究成果としてまとめていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究目標は、「ICT導入におけるサービス開発の点で、サービス分野のプロセス改善の研究を行う」、と設定している。以下項目毎に達成度を確認していく。(1)従来研究の整理:研究代表者及び研究分担者が従来から進めてきた研究を研究成果としてまとめ、今後の研究課題を精緻化する。これに関しては英文査読誌への掲載及び学会発表等で十分成果を上げることが出来た。また他に2011年度に書き下ろした論文も2本投稿することが出来ている。本項目は順調に進捗している。(2)事例調査:先に述べたように臨床検査機器会社との共同研究による事例開発は順調に進んでいる。しかしながら、当初計画していたスペイン企業の事例調査については、先方の都合により2012年度に持ち越しとなっている。(3)BtoBサービスにおける定量調査:本年度は定量調査実施の下準備を進める予定であったが、予定を早めて、2011年度に調査を実施することとし、結果、質問紙調査を実行することが出来た。全体的に見ると、当初計画よりも達成度が高い。これは基金化により3月に定量調査を実施することが出来たことが大きく寄与している。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度の研究を推進させるために(1)具体的な研究成果、(2)事例の開発、(3)定量調査の分析、の3点が大変重要となってくる。以下各項目について、研究推進方策を示していく。(1)具体的な研究成果:これについては、現在投稿中の論文が掲載されることに力を注ぐと共に、クランフィールド大学との共同研究を査読誌に投稿することが一つの目標である。また現在、研究協力者を含めて執筆中の企業間関係とICT技術革新についての論文も、今年度中に英文査読誌に投稿することを目標としている。(2)事例の開発:臨床検査機器会社との共同研究に関して、事例化の目処をつけることを目標としている。この事例に関する研究成果を達成するためには、質問紙調査を行う必要があるため、これに関する準備と調査を当該企業と共に進めることが研究の進捗につながる。新たな事例開発については、フィンランドにある世界的な家具メーカへの取材、そして昨年度実施出来なかったスペイン企業への取材を行うことで、2つの国際的な事例をつくることを目標としている。(3)定量調査の分析:2011年度に実施した質問紙調査の結果を2012年度に分析を行い、新たな知見を探すことが本年度の大きな目標である。そのためには、精緻な分析を行うこととともに、分析結果を世界の中で、同分野の研究者に意見を聞くことが研究の深化に必要である。そのために今年度は、研究成果を学会に投稿し、次年度以降に発表出来るレベルまで研究を進めることが今年度の目標となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
先程示した3つの研究推進方策に従って、記述する。(1)具体的な研究成果:海外学会発表1回(32万円)を計画している。英文校閲費用として5万円を計画している。(2)事例の開発:海外企業への事例開発のための出張旅費(32万円)を計画している。(3)定量調査の分析:分析を実施するためのコンピュータ(15万円)、そしてデータ入力等の研究補助として人件費5万円を予定している。またデータベースの購入で6万円を予定している。そして2011年度繰り越した金額については、2011年度に予定していたスペイン企業の事例開発のために用意していたものであり、2012年度に当該企業の取材のため利用する予定としている。
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Research Products
(5 results)