2011 Fiscal Year Research-status Report
グリーン・ツーリズム組織体の類型化と経営戦略~東アジアの事例を中心に~
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23530529
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
李 只香 九州共立大学, 経済学部, 教授 (80309731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八島 雄士 九州共立大学, 経済学部, 准教授 (00320127)
細野 賢治 広島大学, 生物圏科学研究科, 准教授 (90271428)
藤田 武弘 和歌山大学, 観光学部, 教授 (70244663)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際比較 / グリーンツーリズム / 韓国 / 日本 / 中国 / 経営戦略 / ビジネスモデル / 中間組織 |
Research Abstract |
当研究は、グリーン・ツーリズム施設のビジネス・モデルを模索を目的に、そのための(1)マーケティング環境の把握のための調査、(2)成功している運営体のヒアリングを主に行った。 また、当研究が東アジア全般に目を向けていることから、調査範囲は日本国内、中国及び韓国に及んでおり、行政及び公共による支援についての調査を同時に行った。その成果を論文化し、学会報告を行っているが、具体的には次の諸調査を行った。 まず国内は、(1)和歌山県田辺は、行政・公共として、龍神行政局、田辺広域市町村圏健康・観光産業クラスター推進協議会、中津森林組合に対して、ツーリズム施設としては、有限会社原見林業と農業法人株式会社秋津野に対して調査を行った。(2)徳島県は、行政・公共として、勝浦町町役場の取り組みついて調査した。(3)広島県東広島市は、行政・公共として安芸太田町商工観光課に対して、ツーリズム施設としては、6次産業ネットワークの中核事業隊の甲山いきき村及び世羅夢高原市場を調査した。(4)沖縄県は、宮古島市観光課及び農政課、宮古島観光協会、さるかの会LLC、NPO法人いけま福祉支援センターを調査した。 次に、韓国は(1)行政・公共は、国立農業科学院、全国経済連合会、農協中央会、農村さらん本部、建国大学コミュニティービジネスセンター、京機道楊平郡龍門面事務局について必要な調査を行った。(2)ツーリズム施設は、カルチノルソム地区(仁川)、ボリッコゲ地区(楊平)、ドンユル地区(槐山)、薬草マウル地区(京畿)を調査した。同時に、これらの施設と提携している企業2社についてもヒアリングを行った。 中国は(1)行政・公共は、北京農学院、四川農学院、上海市農業科学院、奉賢区農業委員会観光農業弁公室、上海社会科学院、鎮江区三聖花郷政府で必要な調査を行った。(2)事業体は、三聖花郷旅游中心、江蘇省江陰市華西村を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査1年目の調査では、同研究分野の専門家の協力を得ることで、日中韓の典型的なグリーン・ツーリズム施設の経営管理者に対するインタビュー調査が計画とおりできた。また、グリーン・ツーリズムをめぐる環境を把握する上で、関連の行政や機関の調査を並行して行うことで、グリーン・ツーリズム施設の存立や持続性についての知見が得られた。また、分析ツールに関する仮説モデルの研究も進んでいることから、下記のような成果を挙げている。 その成果としては、(1)各事例の整理を進めているほか、調査の成果の一部を学会で報告している。韓国の事例として、企業との提携によるグリーン・ツーリズムの活性化事例を学会に報告しまた、国内の事例として世羅町及び安芸大田町(東広島)の地域の状況とマーケティング環境を明らかにしている。(2)また分析ツールとして資源分析、成果分析(BSC)についての検討を並行させているが、その成果の一部を学会報告1件、論文掲載を1件行った。(3)国内及び海外調査を通しては、同研究分野の知見を持つ方々と研究会を複数回行う等から、各自の知見を社会問題(農村問題)解決に向けての情熱を分かち合うことができ、また信頼関係を構築することができた。今後の研究調査を進める上で、欠かせない知見が得られた点が目に見えない成果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の調査を踏まえつつも、次のように研究を進める。 まず、(1)農家単独のグリーン・ツーリズム施設、コミュニティー・ビジネス(6次産業)、他機関等の提携に依存するツーリズム体などが存在し、国や地域によってその収益構造は、様々あり、そのタイプ分けが必要で、これまでの諸ケースの分析を進めつつ、引き続き典型例の調査にあたりたい。(2)一方、国際間の違いが浮き彫りとなった。中国の場合は、官主導の大型ツーリズム体から民主導の大型ツーリズムが主で、韓国は、より行政と機関(社団法人)の関わりによる提携型ツーリズムが圧倒的にある。日本は、国や県主導による成功事例が見受けられるほか、NPOやコミュニティーとの関わりによるツーリズムなど多様であった。このことから、行政の支援のあり方、提携・恊働の機関や組織の役割の各国違いをさらに調査していきたい。(3)特に、(2)の問題意識に基づく調査を進める際には、行政・企業・NPOとの連携や恊働がツーリズム体の維持・発展に欠かせないケースが多く存在していることから、これらをグリーン・ツーリズム組織と顧客を結ぶ「中間組織」の役割を担う機関を特定し、ヒアリングを進めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次のように調査及び検討を進める。 まず、(1)共同研究者の研究会を7月及び3月に開催する。その際には、諸事例の分析を行う。(2)国内調査として、安心院(大分県)ほか、1年目の調査について、場合によっては再調査を行う。(3)海外調査としては、8月中旬及び9月末の2回にわたって、韓国のコニュにティービジネスセンター(建国大学)のその後の成果について再調査のほか、成功事例の調査を行う。また、韓国のコミュニティー・ビジネス関連の中間組織の調査を行う。
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Research Products
(5 results)