2011 Fiscal Year Research-status Report
日本の年金資金におけるESG投資のあり方についての研究
Project/Area Number |
23530532
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Research Institution | (財)年金シニアプラン総合研究機構 |
Principal Investigator |
福山 圭一 (財)年金シニアプラン総合研究機構, その他部局等, 専務理事 (30526885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川名 剛 (財)年金シニアプラン総合研究機構, その他部局等, 主任研究員 (80567850)
宮井 博 (財)年金シニアプラン総合研究機構, その他部局等, 客員研究員 (30601413)
谷本 奈丘 (財)年金シニアプラン総合研究機構, その他部局等, 研究員 (90567851)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 企業の社会的責任 / 年金資金運用 / 環境 / 企業統治 |
Research Abstract |
本研究は、日本の年金資金における効率的なESG投資のあり方を探ることを最終目的とし、そのために3つのテーマ「(1)年金関係者の意向調査」、「(2)法規制(年金によるESG投資の法的基盤と実践的課題)」、「(3)投資成果(定量分析)」に焦点を当て、幅広い角度から日本の年金資金とESG投資に関する現状把握さらには将来に向けての考察を行う。テーマ(1)(年金関係者の意向調査)について、平成23年度は、年金基金への郵送アンケート調査、年金基金へのインタビュー3件、運用会社へのインタビュー2件、一般企業へのインタビュー2件を実施した。加えて、年金基金の役職員のみならず、年金基金の直接の関係者である年金加入者(国民皆年金の下では、即ち、一般国民)の意向を調査することも重要であることから、一般国民へのインターネット・アンケート調査を実施した。なお、平成23年度に予定していた被雇用者(労働組合)へのアンケート、関係省庁へのインタビューは、先方の事情等を考慮し、平成24年度以降に延期する。テーマ(2)(法規制)は、外部専門家を招いての研究会方式により、研究期間中に受託者責任、年金基金ガバナンス、投資先企業のCSR政策と企業統治、国際的ルール、わが国の法政策という5つの論点についての整理・考察を行なう方針を掲げている。平成23年度は、第1回研究会で5つの論点の意義と関係を確認し、第2回研究会では国士舘大学 飯塚真教授による「ESG投資と受託者責任」と題する報告に基づき、研究メンバーによる討議を行なった。テーマ(3)(投資成果)について、平成23年度は、CSR総覧(東洋経済)やFTSEのESGデータを情報源としてESGスコアと株価収益率等のデータベース構築を行ったのち、それを利用してE・S・Gの各要素をさらに細分化した項目に着目したリスク・リターン分析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テーマ(1)に関して、平成23年度に実施することを計画していた年金基金(加入者たる一般国民を含む)へのアンケート調査は完了、年金基金や一般企業、運用会社へのインタビューは進行中である。なお、平成23年度に実施予定であった被雇用者(労働組合)へのアンケートおよび関係省庁へのインタビューは平成24年度以降に延期したが、これは先方の事情等によるものであり、調査先との協議を重ねながら、最も効果的な時期に実施することで研究の質の向上を図りたい。テーマ(2)およびテーマ(3)についてはほぼ予定通りで進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね申請時の計画に沿って進める方針である。テーマ(1)について、平成24年度は、引き続き運用会社へのインタビュー等を進めつつ、労働組合へのアンケート(或いはインタビュー)、関係省庁の取組み調査を実施予定である。テーマ(2)については、残る4つの論点を題材として、4回の研究会の実施を予定している。加えて、研究会メンバー以外の専門家による講演も取り入れる予定である。テーマ(3)については、平成23年度の分析結果をもとに、当研究におけるテーマ(3)の位置づけを充分に討議したうえで、有効なESG投資についての分析していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に配分される直接経費70万円のうち、半分超は謝金に配分する予定(36万円)。謝金に配分した資金のうち、8割以上の金額はテーマ(2)の研究会4回分において使用する予定。その他として計上している資金(28万円)については、主に労働組合のアンケート実施に使用する予定。
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