2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530536
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 文男 京都大学, 経済学研究科(研究院), 名誉教授 (40066676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 靖永 京都大学, 経営学研究科, 教授 (70240447)
曳野 孝 京都大学, 経営学研究科, 准教授 (50301825)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 新興国市場 / 流通チャネル / キララ / サムスン電子 / GL電子 / パナソニック・インド / ソニー・インド / プロモーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究は、新興国市場における13億人と12億人の人口を有する中国、インド市場の影響力の大きさを考慮し、最終年度は再度中国とインド市場の流通チャネルを中心に調査研究を行った。中国では最大のボリュームゾーンを形成する中間層が急増し、それが沿岸部から内陸部へ早いスピードで移動しており、ここでの流通チャネルを組織することが、将来新興国市場で競争優位につながるという仮説をたて調査を行った。調査では、パナソニック中国が展開する内陸部西部地区の営業所の代表的都市成都と重慶を中心とするその近郊の地域量販店を訪問し、聞き取り調査を行った。ここではすべて現地人中心のチャネル戦略が成功し、高い営業成績を出している。 インド市場では中国市場と異なり家電量販店が未発達で、キララと呼ばれる中小零細小売店が家電製品の売り上げの80%を占めている。この市場をいかに組織するかが、インド市場での競争優位を勝ち取るために重要である。インド市場で先行する韓国系のサムスン電子やLGも小売店を組織し市場シェアを高め競争優位を図るため、流通チャネル戦略を強化している。これに対抗するため、日本の代表的家電企業パナソニックインドやソニーインドもチャネル戦略に力を注いでいる。ソニーは本社の不振とは対照的にインドでは先行するサムスン電子やLGに対して互角の競争を行っている。その要因は、たとえば、テレビの場合でみれば、インドの消費者ニーズに合った画質や音質で差別化するとともに、流通チャネル戦略においてもソニー独自の徹底した現地化戦略の展開によって優位性を発揮している。たとえば、POSやプロモーターから日々入ってくるデータに基づいた小売末端の販売状況の把握にとどまらず、流通末端で生じている問題点の把握と適切な指導を行っている。ここから、グローバルマーケティング戦略における徹底した現地化の重要性が明らかになった。
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Research Products
(7 results)