2011 Fiscal Year Research-status Report
広告の情報的価値が広告に対する注目と態度に及ぼす影響
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23530540
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
浅川 雅美 文教大学, 栄養学部, 准教授 (80279736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 雅雄 文教大学, 情報学部, 教授 (40224042)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | アイカメラ / Aad / CM / 視聴印象 / 食品選択基準 / 情報的価値 / 注視時間 / 注視点 |
Research Abstract |
広告の「伝達内容」と「Aad」との間の関係を明らかにするために、次の二つの目的を設定し、これらを達成するためにアイカメラ実験および質問紙調査を実施した。 第一の目的:「情報的価値(CMの「伝達内容」に含まれる「商品選択基準」を受け手が重視しているか否かによって異なるCMの情報としての価値)が高いケースは、低いケースと比べて広告に注目しており情報獲得量も多い」という仮説を検証する。 第二の目的:情報的価値が高いケースは低いケースと比べて、広告のどの部分をよく見て、どのような「視聴印象」を感じて、「Aad」の評価が高くなるのかを明らかにする。具体的には、以下の二つの調査を行った。 予備調査:アイカメラを装着してもらう被調査者グループには、情報的価値が高いケースと低いケースが含まれていることが不可欠である。具体的には、食品選択時に「安全性」「ムード」「ダイエット」を重視する者と、重視しない者が、それぞれ、10名以上は含まれていることが必要と考えた。そこで、本調査に先立ち平成23年6月に、約200名の被調査者を対象にして「食品選択基準」に関する質問紙調査を行い、被調査者を選定した。本調査:平成23年11月末~12月末にかけて、45名の被調査者にアイカメラを装着してもらい「安全性」「ムード」「ダイエット」をそれぞれ訴求している食品CM計7本を提示して、各CMについて、(1)全体の注視時間、(2)注視点の数、(3)ブランド名、商品のベネフィットに関する説明、表現形式の3領域の「注視時間」、および(4)「視聴印象」を調べる実験・調査を行った。さらに、アイカメラ実験後に、各被調査者に「当該CMを好き、あるいは嫌いな理由」についてインタビュー形式で質問した。現在、インタビュー時に口述筆記したものをテキストデータとして入力中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下に示した内容で実験を実施した。(1)アイカメラの実験を行うにあたって、機材をTobii社から1ヶ月間レンタルをした。(2)被験者数は45名であったが、実験は1名ずつ行った。そして1人につき1時間を要した。 つまり、1ヶ月のなかで、被験者と実験実施者の双方の都合が合う日時に45回の実験を計画する必要があった。ただしレンタル期間の制約があったため、被験者が時間通りに来ないことが続いた場合、予定した実験を終了できない可能性があった。しかし、9割以上の被験者は指定した時間より前に来てくれた。このような被験者のまじめな態度に支えられて、実験を無事に予定通り進行できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
口述筆記のデータ入力が終わり次第、アイカメラの解析を始め、当初設定した仮説が検証できるか否かを明らかにする。 仮説が検証できなかった場合は、仮説が棄却されたこと以外に、提示した刺激(CM)に問題があったこと、被験者の選び方に問題があったこと、など他の要因も考えられる。そこで、別のCMを別の被験者に提示する再実験を行う。 仮説が検証できた場合も、得られた結果の再現性・信頼性を確認するために、別のCMを別の被験者に提示する再実験を行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・アイカメラの機材を所有していないため、1~2ヶ月Tobii社からレンタルをする。・被験者に謝礼を支払う。・残額があれば、成果を学会で発表する費用に使用したい。
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