2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530541
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
濱岡 豊 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (60286622)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 研究開発 / 製品開発 / オープン・イノベーション / ユーザー・イノベーション / 破壊的イノベーション / 共進化マーケティング / 低線量被曝 / オープン・データ |
Outline of Annual Research Achievements |
調査票、調査方法については昨年までと同様、郵送法とし、調査対象者はデータベースを用いて抽出した。研究開発調査では524社に調査票を送付し、118社の回答を得た(回答率23.0%。不到達の12社を除く)。製品開発調査では、744社に送付し、112社の回答を得た(同15.1%)。それぞれについて、8年間のトレンド変化について分析したところ、以下の点が明らかとなった。 研究開発調査でトレンド変数が有意となったのは247項目中47項目であった。これら項目から,「ユーザーへの評価,対応の低下」「研究開発のオープン化の進展と限界」「製品化に向けた研究開発が進む一方での独自テーマの低下」「経済的報酬から地位やプロジェクト内容で報いるという研究開発におけるインセンティブ制度の変化」「海外でのR&Dの自律化と成果向上」「外部連携のための人的交流機会の縮小」「技術や品質の強化の一方での開発スピードの低下」など,研究開発が困難になっているといえる。一方で,「トップによる方向性の明示や,信頼や公正さなど組織文化の強化」が進行している。 製品開発調査では、250項目中28項目でトレンド変数が有意となった。「自社の製品,技術的な強みの低下」「ユーザーとの関係の変化」「開発プロセスでの情報収集活動の低下」「製品の複雑化」などの問題が重要化していることがわかった。 オープン化時代の研究開発という趣旨を実践するため、昨年度に続いて、福島原発事故以降、重要化している低線量被曝について、オープンデータを用いた分析も継続した。福島県甲状腺検査の市町村データについて、UNSCEARの推定した被曝線量と結節には正の相関があることが確認された。米国における核関連設備従業員疫学個票データ(CEDRプロジェクト)に関して、ハザード分析を行ったところ、傾向性検定やポアソン回帰など、従来の手法では有意とならなかった場合でも有意になることが確認できた。
|