• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

業態としてのカテゴリー:消費者視点の業態研究

Research Project

Project/Area Number 23530545
Research InstitutionHosei University

Principal Investigator

新倉 貴士  法政大学, 経営学部, 教授 (20278774)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高橋 広行  流通科学大学, 商学部, 講師 (00580325)
Keywords業態 / 消費者情報処理 / カテゴリー構造 / スクリプト
Research Abstract

本年度の研究成果は、以下の3点に整理することができる。
1つは、優良企業へのインタビュー結果を整理した事例研究である。ホームセンターを展開する「株式会社ハンズマン」からは、顧客第一主義を徹底する「わかりやすい売り場」という製品カテゴリーの具現化を通じた店舗づくりにより、ホームセンターという業態の具体像(エグゼンプラー)を積極的に演出していることが明らかにされた。そのために、業界平均よりも従業員数を多く配置し、商品アイテム数を徹底的に揃えるというマーチャンダイジング上の特色を有していた。また、特定の標的市場を設定せずに、全体市場に対応するという「ホームセンター」概念に忠誠的な企業姿勢をうかがい知ることができた。それぞれの業態が、それぞれに成り立つ抽象的概念像(プロトタイプ)を考察する際の一つの要素として、市場に対する企業姿勢の重要性が示唆された。
2つ目は、消費者の業態認識を捉えるモデルの開発である。このモデルでは、具体的な業態像であるエグゼンプラーと抽象的な業態像であるプロトタイプとの関係をベースにして、業態認識の情報処理をトップダウン型とボトムアップ型に識別したうえで、エグゼンプラーとプロトタイプの中間に存在するエグゼタイプを2種類設定することにより、業態の認知構造と業態の認知分布が把握でき、また業態間の連続性と業態間の変動性を説明することが可能になる。
3つ目は、インターネット調査の結果から、業態認識主体としての買物行動スクリプトの重要性が見出せた点である。業態スクリプトには、店舗内行動スクリプト、売場行動スクリプト、選択行動スクリプトというスクリプトの階層性を捉えることができるのである。そして、このスクリプトとその階層性を操作することにより、新たな業態革新が導き出せるものと考えられる。
本年度の研究実績を基にして、次年度は積極的に各方面に発信をしていく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度から構築してきたモデルと、これに基づく概念的フレームに基づき、実証的な調査に落とし込むことができた。また、インタビュー調査の整理ができ、事例研究論文として作成することができた。さらに、日本商業学会の全国大会ならびに全国研究報告会で報告することができ、商業関係の業態研究者や消費者行動研究者といった数多くの研究者からコメントや意見が広く収集できた。

Strategy for Future Research Activity

現在、本年度実施した調査結果を整理しているため、これら結果の解釈を踏まえたうえで、次年度は各方面に向けて積極的な発信をしていく予定である。
また、今後期待される新たな研究の芽もいくつか見い出されているので、これらの発展可能性を探りながら、本研究の今後の広がりをも考察していきたいと考えている。
学会や研究会を通じて、関係分野の研究者から多くのアドバイスを受けながら、業態認識のあり方についての統合的な整理と、発展的な今後の方向性を探りながら、研究を進めていく予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度への繰越がいく分生じた理由は、本年度実施した調査のデータ整理が若干残っているためであり、そのための費用を繰越しておく必要性が生じたからである。また、当初予定していたよりも、消費者の認識する業態に関する概念の拡がりを想定する必要性が出てきたためである。特にリアル空間だけの業態認識だけではなく、バーチャルなインターネット空間での業態認識については、想定される特定の流通業者だけではなく、インターネット上での様々な行為者との関連性を知る必要がある。日々変化するソーシャルメディア環境についての配慮も必要になり、そうした文献をも収集する必要性が出てきたからである。
次年度では、これらの理由により繰越された分を適切に調整配分して、効率的に研究費を使用していく予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 消費者視点の業態研究に向けて:その研究課題と業態認識主体としてのスクリプト2013

    • Author(s)
      新倉貴士・髙橋広行
    • Journal Title

      季刊マーケティングジャーナル

      Volume: 第127号 Pages: 67-81

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 消費者の業態認識:業態を認識させる認知構造と認知分布2012

    • Author(s)
      新倉貴士
    • Journal Title

      経営志林

      Volume: 第49巻第1号 Pages: 17-29

  • [Journal Article] 顧客第一主義の具現化による店舗づくり2012

    • Author(s)
      髙橋広行・新倉貴士
    • Journal Title

      季刊マーケティングジャーナル

      Volume: 第125号 Pages: 100-118

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 業態認識と業態の芽:消費者のカテゴリー化概念の視点から

    • Author(s)
      新倉貴士・髙橋広行
    • Organizer
      日本商業学会 第62回全国大会
    • Place of Presentation
      北海学園大学(北海道)
  • [Presentation] 消費者視点の業態研究:スクリプト概念による食品スーパーの業態認識

    • Author(s)
      髙橋広行・新倉貴士
    • Organizer
      日本商業学会 第3回全国研究報告会
    • Place of Presentation
      広島経済大学(広島県)

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi