2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530550
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Research Institution | Nagoya University of Commerce & Business |
Principal Investigator |
山田 昌孝 名古屋商科大学, 商学部, 教授 (20174740)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 消費者革新性 / イノベーション / 普及理論 |
Research Abstract |
H23年度は、本研究の中核となる消費者革新性についての理論‐傾性中間概念という新しい構成概念について、再点検をした。パーソナリティ心理学の分野では、Carnap (1956)、渡邊(1995)らが、構成概念は理論的構成概念(剰余意味を持つ)と傾性概念(剰余意味を持たない)に分けられるとしている。これに基づいて、消費者革新性の考察を行なった。第一に単なる行動を概念化した形成概念(採用時期、採用数)からは理論的な議論ができないため、採用時期を用いたロジャースの革新性の定義自体がトートロジーであること、また、ロジャースの採用時期が正規分布することを前提にした5つの採用者カテゴリーも同様に傾性概念から理論的な分類は不可能であり、最近の非正規分布を示すコンテンツ製品の出現でその正当性が問われていることへの回答を与えた。第二に、生得的、領域特定的、個別製品という3つの革新性概念もそれぞれ理論と傾性概念に分けられるが、生得的革新性の行動予測にはその適用範囲を広げているために特定の新製品については精度の劣ること、個別製品革新性もそれ以外は類似性を用いるため精度が落ちる。その点適度な応用範囲を備えたdomain-specificを候補として、理論的構成概念と傾性概念の中間に「理論―傾性中間概念」という行動と理論の中間に新しい中間構成概念を設け、Goldsmith-Hofackerスケールをこの中間構成概念を測定するスケールと考えることとした。上記理論に到達する直前の平成23年6月のMS学会でそれまでの理論的結果を報告している。その後は、この「理論―傾性中間概念」と普及理論の再構築の結果を実証するアンケート調査をしており、その結果は2012年6月のMS学会で発表する予定である。次年度は、この中間概念のスケールの改善を図ることとdomain-generalな感性スケールの開発を考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の核になる理論の部分について再点検をしたいと考え、実施した。その結果より精緻な理論に仕上げることができた。そのため、「ポジティブな強い心の揺れ」についてその理論的構成概念と理論‐傾性中間概念の測定スケールを改良することがやや遅れている。しかしその後は、この「理論―傾性中間概念」と普及理論の再構築の結果を実証するアンケート調査をしており、その結果は2012年6月のMS学会で発表する予定であり、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
「ポジティブな強い心の揺れ」についてその理論的構成概念と理論‐傾性中間概念の測定スケールを改良するために質問紙を作成する。これまで学生を被験者としてよい結果が得られて来ので、さらに社会人を対象にしたいと考えるに至ったため、楽天などのアンケート・サービスに依頼する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記楽天などのアンケート・サービスは有料であり、かなりの高額を覚悟しなければならない。ただ、中でも楽天の良いところは、確実に希望するセグメントから必要な回答数が得られる点である。それに引き替え、ウエッブにアップロードするだけで回答数が保証されないものもあるため、その選択に留意する必要がある。100万円前後を考えなければならない。
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Research Products
(2 results)