2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530551
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
石垣 智徳 南山大学, ビジネス研究科, 教授 (20254443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 佳奈 流通経済大学, 経済学部, 講師 (50564928)
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Keywords | ギフト / ゆるい絆 |
Research Abstract |
本研究では、ギフトをコミュニケーションが伴う消費行動ととらえ、ITの進展などのコミュニケーション環境の変化がギフトを通したコミュニケーション(以下、ギフト・コミュニケーション)に与える影響について実証分析をおこなっている。ギフト・コミュニケーションに注目することで、コミュニケーション、消費、伝達経路を同時にとらえることが可能になるという利点がある。ソーシャルメディアの利用が急拡大している中国の都市部の若者を対象に調査を2011年度末におこない、彼らのギフト・コミュニケーションの特徴を確認するとともに、日本において実施した調査との比較により、日本と中国のギフト・コミュニケーションの相違点を論じた(日本マーケティング・サイエンス学会2012年6月)。さらに、与え手と受け手のギフト受贈(Share)のあとに、ギフト商品を媒介として共感(Sympaty)が生じ、受け手によるギフト商品の連鎖的消費をひきおこすと仮定する、ギフトの連鎖消費モデルRISASS (Receive→Interest →Search→Action→Share→Sympathy)のS(Sympathy)に注目しモデルの精緻化をこころみている。 中間的な結果として、中国のほうが、「ソーシャルメディアリテラシー→ネットワーク志向→状況志向」の関係が強いことが確認できた。中国では、日本よりもソーシャルメディアへの参加率が高く、状況志向的コミュニケーションがより重要になっている可能性があると推測する。日本と同様に、中国においても同性への贈与がRISASSを引きおこすことが確認できた。2012年度末に韓国の調査を行ったが分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点での達成度は70%程度であるといえる。当初の予定では中国に加えて、韓国の調査結果・解釈も行う予定であったので、若干遅れている(小沢担当分)が想定内の遅れであると認識している。韓国の調査依頼ならびに研究費執行の計画管理に手間取ったため(石垣担当分)であるが、さらに日本の調査結果を加えて、日中韓の違いを比較し、我々の仮説を説明できるモデル構築を提案することに問題はないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、2012年度末に入手した韓国における調査結果の分析作業を進めている(小沢担当)。解釈以降作業が遅れているので、2013年度は早い段階で日本においても調査を実施し、日中韓に共通する分析の枠組みを導出していく(石垣担当)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2012年度に結果を入手している韓国の調査費用が未払いであるため、それをまず支払う。さらに、残された日本の調査費用と学会における発表のための出張費やモデル構築のための論文作成のための書籍・資料等に研究費を使用する予定である。
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Research Products
(5 results)