2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530551
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
石垣 智徳 南山大学, ビジネス研究科, 教授 (20254443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 佳奈 流通経済大学, 経済学部, 講師 (50564928)
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Keywords | ゆるい絆 / ギフト / 国際比較 |
Research Abstract |
本研究では、ギフトを単なる贈与行為ではなくコミュニケーションが伴う消費行動ととらえ、ITの進展によってもたらされたギフト・コミュニケーション消費について実証分析をおこなっている。ギフト・コミュニケーションに注目することで、コミュニケーション、消費、伝達経路を同時にとらえることが可能になるという利点がある。ソーシャルメディアの利用が急拡大している韓国の若者を対象に調査をおこない、彼らのギフト・コミュニケーションの特徴を確認するとともに、日本において実施した調査、中国の都市部において実施した調査との比較により、日本、中国、韓国のギフト・コミュニケーションの相違点を明らかにした。 2013年3月に、韓国の満15歳 ~34歳の一般男女に対してインターネット調査をおこない、ギフト意識、友人関係、メディアリテラシー、共感消費についての各質問項目の因子分析および贈与経験、連鎖消費から導き出された潜在変数(ソーシャルメディアリテラシー因子、ネットワーク志向因子、状況志向的コミュニケーション因子、贈与によるつながり志向因子、同性への贈与、異性への贈与、連鎖消費、連鎖消費後の贈与)により構成されるモデルを用いて3国間における多母集団同時分析をおこなった。 結果として、韓国は、「贈与によるつながり志向」から「同性の友人への贈与」への関係において日本・中国との差異が認められた(日本、中国は正の関係であるが韓国は負の関係である)。ただし、3国とも同性の友人への贈与はギフトの連鎖(消費)をもたらすことが確認された。同性の友人に対するギフトは、日本ではコミュニケーションのきかっけのためのツールとして、中国では何らかの目的の達成手段のツールとして、韓国では強いつながりを確認するためのツールとして用いられているのではないかと解釈できる。
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Research Products
(1 results)