2011 Fiscal Year Research-status Report
逆選択に関する実証研究ー更新型定期保険のミクロデータ分析を中心としてー
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23530553
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山本 信一 立命館大学, 経済学部, 教授 (90388108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米山 高生 一橋大学, 商学研究科, 教授 (00175019)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 逆選択 / モラルハザード / 生命保険 / ミクロデータ / 自殺 |
Research Abstract |
APRIA 2011 ToKyo Conference (2011年7月30日~8月3日)で「An Experimental Study on Adverse Selection and Moral Hazard」を発表した。この論文では、ある保険会社にお願いして、終身保険の契約(40万件)から経過別の予定死亡率・実績死亡率のデータベースを構築いただき、終身保険の契約については、保険会社が契約時の医的選択により、経過10年まで完全に逆選択を防止できていることを実証した。生命保険ミクロデータによる経過別の逆選択の実証は内外で初めてである。この論文を修正し、Hitotsubashi Journal of Commerce and Managementに投稿する予定である。上記とは別の保険会社にお願いして、終身保険契約(90万件)・定期保険契約(2万5千件)から、経過別に、契約件数・予定死亡率・実績死亡率・実績自殺率のデータベースを構築いただいた。このデータベースでは、有意水準5%(両側検定)で、逆選択・モラルハザードの有無が商品別・経過別に明らかになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生命保険契約の逆選択・モラルハザード・医的選択効果について、保険会社の内部データに基づき実証した研究論文は存在しない。本研究では、保険会社のご協力により、これらを実証するデータベースを構築できた。さらに、データベースを統計学に基づき検定すると、5%有意水準(両側検定)で経過別に明確な差異が認められた。
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Strategy for Future Research Activity |
終身保険契約(90万件)・定期保険契約(2万5千件)から、経過別に作成いただいた契約件数・予定死亡率・実績死亡率・実績自殺率のデータベースを用い、保険会社と契約者のどちらが被保険者健康状態を良く知っているかを、統計学に基づく検定により明らかにしていく。現時点の検定結果を、2012 APRIA Conference(2012年7月22日から26日までソウルで開催)で発表し、外国人の意見を伺う。これによって、実証論文としての完成度を高めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在の研究結果を丸善に依頼して、なるべく良い英文論文とする。2012 APRIA Conference(2012年7月22日から26日までソウルで開催)で、上記英文論文を発表し、多くの研究者の意見を伺う。その後、改良した論文を、東京出張で共同研究者の米山先生と討論することにより、改善を図る。さらに、来春に、ニューヨーク出張を行い、共著者のW. Jean Mwon 先生と議論を行い、どうすれば英文ジャーナルに載せられるかを議論する。
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Research Products
(1 results)