2013 Fiscal Year Annual Research Report
逆選択に関する実証研究ー更新型定期保険のミクロデータ分析を中心としてー
Project/Area Number |
23530553
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山本 信一 立命館大学, 経済学部, 教授 (90388108)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米山 高生 一橋大学, 商学研究科, 教授 (00175019)
|
Keywords | 逆選択 / モラルハザード / 生命保険 / アクチュアリー |
Research Abstract |
逆選択については、生保契約の死亡率は、終身保険では国民平均と有意な差を検証できず、一方、定期保険では国民平均よりも有意水準5%で高かった。詳細にみると、定期保険では、新契約後10年間程度は、保険会社による選択効果により、死亡率が国民平均よりも低かったが、新契約後10年を経過すると、死亡率は国民平均を上回ってきた。一方、自動更新定期保険の更新後では、自動更新後に、死亡率が国民平均を大きく上回り、逆選択が観察されたが、自動更新から10年を経過すると、死亡率は国民平均と同じ程度となった。保険会社による選択効果も、自動更新による逆選択も経過10年で消滅するという面白い結果が得られた。この結果は、He,D(2009),'The Life Insurance Market: Adverse Selection Revisited', Jornal of Public Economics, 93: 1090-1097 と符合しており、それを経過別に一層詳細に立証したものである。 これらの結果は、APRIA東京大会・ソウル大会・ニューヨーク大会で発表済みである。さらに、東京大会の結果は、Hitotsubashi Jouranal of Commerce and Management 46/1, 51-65 2012/10に掲載された。ソウル大会の結果も同一ジャーナルに今年度に掲載される予定である。ニューヨーク大会の結果については、他の研究者の方の意見も伺った後に、Jornal of Risk and Insurannceなどの英文査読誌に投稿する予定である。
|
Research Products
(1 results)