2013 Fiscal Year Annual Research Report
外食企業のグローバルダイナミズムの研究-食文化論を超えて-
Project/Area Number |
23530557
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
川端 基夫 関西学院大学, 商学部, 教授 (60234118)
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Keywords | 外食 / 国際化 / ラーメン / オペレーションシステム / サポーティング・インダストリー |
Research Abstract |
平成25年度は、外食国際化を取り巻く外部業者の存在に光を当てた。外食企業は中小企業が多いため、海外進出に関する資金や人材などの経営資源が不足している。そこで、近年はそれを現地でサポートし、現地でのオペレーションシステムの構築を手伝おうとする日系の業者が増大してきている。本研究では、それらを外食国際化のサポーティング・インダストリーと呼ぶ。 具体的には、食材調達システム構築に関しては、食品メーカー(特に調味料系)、食品加工業者、食品卸売業(商社)、輸入卸などが、店舗開発システム構築に関しては、大手小売業者、現地の不動産ディベロッパー、現地のFCジー、現地の日系コンサルタント、現地の日系内装業者、現地の日系厨房器メーカーなどがそれにあたる。また、人材育成システム構築に関しては、現地パートナーとなった現地の有力企業がそれにあたる。 このようなサポーティング・インダストリーが、特に海外進出に影響を与えている業界はラーメン業界であろう。近年では、日本から麺やスープ、調味料を供給する関連企業がアジア各国に拠点を構えるようになっており、また「ラーメンチャンピオン」のように、現地のコンサル企業がラーメン専用の店舗開発を行ってくれるケースも、香港、シンガポール、バンコクで見られる。それらは、ラーメンチェーンの国際化のインフラとして機能しているのである。 今後は、このようなサポーティング・インダストリーが益々アジアに進出することが予想されるため、外食国際化のハードルは低下していくと考えられる。また、進出先は、このようなインフラ系企業が集中する地域が優先的に選択されるであろう。 従来、外食国際化は市場要因(所得やライフスタイル、食文化など)を指標としつつ進出先が決められるとの見方もあったが、今後はサポーティング・インダストリーの立地を手掛かりに分析することが重要となることが確認できた。
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Research Products
(4 results)